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森田、陽川の連弾で先制!ところが相手は4発…“倍返し”されました。《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
17日にファームで実戦復帰した大和選手。野球教室では笑顔いっぱいの熱血指導です。

きのう17日は奈良県橿原市の佐藤薬品スタジアムでオリックスと対戦。毎年この球場で試合をしていますが、今回は「こんなに狭かったのか~」と改めて痛感しましたね。センターは120メートルあるものの両翼が93メートルと、かなり狭い。1回に森田選手と陽川選手が連続で放り込み、オリックスは奥浪選手の2打席連続など4発とホームラン大会になりました。残念なことに打ち負けてしまい、これで5連敗です。

奈良からの帰りにもう始まっていた1軍のDeNA戦(横浜)でも、いきなり上本選手が放り込むなど5本もホームランが出ました。味方の援護もあり、6回途中まで投げた岩貞投手が嬉しいプロ初勝利!手にした記念ボールはきっと、他のルーキーたちが1軍で投げるのを見ながらリハビリに励んだ日々も、大切な時間だったんだと思わせてくれるでしょう。一緒に苦しんでこられたお母さんも喜んでいらっしゃいますね。本当におめでとうございました!

では、奈良の阪神ファンとオリックスファンの皆さんが拍手と声援、時には熱いヤジ合戦なども交えながら盛り上げてくださったウエスタンの試合を振り返ります。なお大和選手が実戦に復帰。試合前はスタンドの子どもたちに「どこから来たの?」と声をかけたり、楽しそうにしていたそうですよ。試合後の野球教室にも参加し、閉会式では平田監督おなじみの「大和、何かあげろ!」というムチャぶりにも、笑顔で対応していました。

野球教室で代表の挨拶をした少年にプレゼントを手渡す大和選手。
野球教室で代表の挨拶をした少年にプレゼントを手渡す大和選手。

《ウエスタン公式戦》8月17日

阪神-オリックス 23回戦 (佐藤薬品)

オリ 051 200 011 =10

阪神 300 200 000 = 5

◆バッテリー

【阪神】●岩崎(2勝2敗)-歳内-久保田-伊藤和‐島本‐山本 / 岡崎-小豆畑(7回~)

【オリ】ランズラー(2回)-○小松(3勝2敗)(4回)-中山(1回)-マエストリ(1回)-柴田(1回) / 伏見

◆本塁打 

【阪神】森田6号2ラン(ランズラー)、陽川5号ソロ(ランズラー)

【オリックス】奥浪6号ソロ(岩崎)、7号ソロ(歳内)、西川1号ソロ(伊藤和)、武田6号ソロ(島本)

◆三塁打 堤

◆二塁打 宮崎、竹原、柴田(神)

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]左中:柴田 (3-3-2 / 0-1 / 0 / 0) .262

〃打:阪口  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .247

2]中:大和  (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .333

〃左:中谷  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .178

3]指:緒方  (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .297

〃打指:荒木 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .245

〃打指:原口 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .270

4]一:森田  (3-1-2 / 2-1 / 0 / 0) .279

5]三:陽川  (4-1-1 / 0-0 / 0 / 1) .251

6]遊:西田  (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .236

7]二:北條  (3-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .247

8]捕:岡崎  (2-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .273

〃捕:小豆畑 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .270

9]右:横田  (4-1-0 / 0-0 / 1 / 0) .183

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

岩崎   2回 65球 (5-0-2 / 5-1 / 2.11)

歳内   3回 73球 (7-2-2 / 3-3 / 3.52)

久保田  2回 19球 (2-1-0 / 0-0 / 7.13)

伊藤和  1回 7球 (1-0-0 / 1-1 / 8.22)

島本  0.2回 15球 (3-0-1 / 1-1 / 3.41)

山本  0.1回 6球 (0-1-0 / 0-0 / 2.18)

2本打ったら4本打ち返された…

まず1回、新外国人投手のランズラーから柴田が左前打を放ち捕逸で二塁へ。2死後に森田がレフトポール際へ6号2ラン!続く陽川もレフトへ5号ソロ!2者連続ホームランで3点を先取しました。しかし、1回は連打を浴びながら0点に抑えた岩崎が2回、先頭の奥浪に6号ソロ。続く小島の三ゴロを陽川がトンネル…そのあと2四球などで2死満塁として3番・宮崎に三塁線を破る2点タイムリー二塁打。次の竹原にも左翼線への2点タイムリー二塁打で計5失点。もう少し投げる予定だったのではないかと思われますが、2回5安打5失点で降板。なお自責点は1です。

2人目の歳内も3回、先頭の奥浪に左中間へ2打席連続のホームランを打たれ1点。4回には宮崎、竹原、高橋をすべて2球で追い込みながらヒットを許し、奥浪にも中前タイムリー。先頭からの4連打で2点を失いました。5回まで3イニングを投げ7安打3失点。打線は4回に岡崎の死球、横田の右前打などで1死一、二塁として柴田が右越えのタイムリー二塁打!一塁から横田が好走塁を見せ、2点返して8対5とします。

6回は久保田が登板し、2イニングで1安打ずつされたものの安定したピッチングで無失点。8回は伊藤和が途中出場の西川に今季1号ソロを打たれましたが、あとは難なく抑えています。そして9回は地元・奈良出身の島本が先月31日以来のマウンドへ。先頭の伏見に左前打されるも縞田は投ゴロ併殺打で2死!ところが次の武田にソロホームランを浴びて、堤には右中間越えの三塁打、続く深江の頭部へ死球…。危険球により退場です。2死三塁で登板した山本が西川から空振り三振を奪って、追加点は与えませんでした。

5回以降の打線は、6回に岡崎が左前打、7回に柴田が3安打目となる中前打を放っただけ。他は完ぺきに抑えられて、試合終了です。7月2日の中日戦(鳴尾浜)の被安打20には及びませんが、それに次ぐ18安打を浴び、今季5試合目の2ケタ失点となりました。5月3日以来、今季2度目の5連敗。6月8日以来の借金2です。

山本以外、計18安打された投手陣

14日の中日戦と16日のオリックス戦を雨で流し、“3度目の正直”で先発した岩崎投手。「球場の狭さは言い訳にならない。低めのコントロールがまだまだ甘いです。ストライクゾーンで勝負しないと。浮いてもダメですし、ワンバウンドでもダメ。ひざの高さでカウントを取らないといけない」と反省の弁。平田監督は「岩崎のこんなピッチングはとにかく初めて。雨で流れたことを差し引いても、コントロールの精度が悪すぎた。高めに抜けてテンポも悪かった。でも、これが“底”と思えばいい」と話しています。

次に久保投手コーチ。「どのピッチャーも、打たれる根拠は同じ。ボールがちょっと高かったね、全体的に。歳内は最後の決め球が浮いていってた。真っすぐが強くなってきて今のところは力任せでいっているので、精度がほしい。きのうの秋山にしても必死に放っているのはいいが、その中でピッチングの組み立てを冷静にできていない。みんな1つ1つ、いい球を投げてるんだけどねえ。どうコントロールして組み立てるか。自分を救うのは、基本である低めのコントロール」

また、後半の投手陣について「久保田は落ち着いてきたね。今月は遠征から離れて、鳴尾浜でずっとやってきて成果が見えた。だから1イニングの予定だったけど2イニングいきました。伊藤和もヨレヨレしていたのが(笑)、少しずつ力強くなってきていますよ。島本は…いいとこを見せようとしたかな。こちらも“いいとこ見せてこい”って送り出したんやけど。僕もそう。地元でよかったことはないですねえ」と久保コーチ。そして「やっぱり雨の影響は大きかった」と、中止続きの日々を振り返りました。

伊藤和投手は「ホームランは真っすぐです。ここ狭いですねえ!それと西川さんには毎回打たれているイメージがあるます。相性悪いかも」と苦笑い。でもあとはビシッと抑えたから。「そうですね。スピードが出てきたし、感じは悪くないです」。島本投手の危険球退場を受けて登板した山本投手は「最後はスライダーです」とニッコリ。その前に気合の声とともに投げ込んだ球はボールと言われたけど。「ボールですよ」。でもコールの前にもう帰りかけていたでしょう?「あれはフェイクです(笑)」。なるほど。

大和は1軍へカウントダウン

お待たせしました。2番センターで実戦復帰を果たした大和選手です。1回はしっかりスイングした空振りのあと2球目を打って右飛。2回は中飛。4回はバットを変えて三遊間をゴロで抜けていく左前打!当たりは強くなかったけど、1死一、三塁とチャンスを広げました。続く荒木選手の打席で3球目に二盗を試みるもアウト。5回の守備から中谷選手に代わっています。守備機会は1回の竹原選手の中飛のみ。あとは中前打の処理で、力いっぱい返球する場面は特になし。

大和選手は「(試合に出て)痛みや不安、違和感はなかった。守備も問題ないかなと。バッティングの感じは悪くないです。しっかり振れたし、問題ないと思います。次は結果を残したい」との感想。ただ話す表情をみていたら、すべてを確認できたわけではなさそうでした。もちろん大丈夫だけど、もう少し出てみたい、という感じでしょうか。

平田監督は「きょうは3打席と決めていた。何の問題もない。守備もスタートとか安定感とかが違うね。ブランクを感じさせない。盗塁も、あえて走らせてみた。19日(鳴尾浜のソフトバンク戦)はフルで出す予定」と話しています。1軍の和田監督が「もう少し打席をこなして。休み明けにもう一度出てから」、黒田ヘッドコーチは「よく動けていると聞いた。もう1試合出て(1軍は)来週だな。順調にきたらいいな」とのこと。京セラドームで1軍復帰の段取りと思っていいですかね。その前にあす19日は鳴尾浜で、“小虎スタイル”のユニホームを堪能しなくちゃ!

今季チーム初の2者連続ホームラン!

これも監督から突然の指名を受けて、子どもにリストバンドをプレゼントする陽川選手。
これも監督から突然の指名を受けて、子どもにリストバンドをプレゼントする陽川選手。

次は、1回に先制の連続ホームランを放った森田選手と陽川選手。といっても陽川選手は別の話になっちゃいましたけど…。2者連続は今季チーム初で、1試合に2本出るのも7月9日の広島戦(森田選手、一二三選手)以来です。「イチ、ニ、サンで真っすぐを」打ったという森田選手。珍しくレフトポール横でしたね。「よくいってくれた~」とホッとした顔。「打った瞬間に、いったとは思った」そうですが、この日は結構な向かい風だったんですよね。

陽川選手は「真っすぐです。(手応えは)よかった」と日焼けした顔を緩ませました。でもすぐに「エラーが…」と。2回の守備での、あのトンネルですね。「完全に“やってしまった”エラーです。出るタイミングが悪かった」。捕れなかった瞬間、声が出た?聞こえた気がします。「アッ!って言いましたね。ほんとにもう、凡ミスです」と反省しきりでした。

試合後に行われた野球教室の話は、写真とともにあすご紹介します。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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