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福岡でソフトバンクに連敗した阪神ファーム、切り替えて今度は青森で楽天戦!

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

今週前半は福岡へ遠征していた阪神ファーム。ソフトバンク3連戦は、まず5日の北九州市民球場でのナイターが雨天中止となり、6日はヤフオクドームで小虎にとっては今季最初で最後のナイトゲームが行われました。そういえばドームでの試合も今季初ですね。来月もヤフオクで1試合ありますが、これはソフトバンクが親子のため10時10分開始の“モーニングゲーム”です。

ソフトバンクと広島は苦手…

6日は先発の秋山投手が序盤で失点し、打線は3安打のみの完封負けを喫しています。秋山投手は、勝てばソフトバンク先発の飯田投手と並ぶ8勝目だったんですけど…逆に9勝と7勝。2つの差がついてしまいました。ちなみに3安打は、3回に緒方選手と小宮山選手の連打、4回に2死から西田選手が放った中前打です。阪神とソフトバンクの打線がともに12三振ずつで計24三振。結構な数ですねえ。阪神は7回、飯田投手に下位の中谷選手、小宮山選手、西田選手が3連続で奪われました。

翌7日は雁の巣球場で、13時開始のデーゲーム。先発は岩崎投手と東浜投手です。岩崎投手が、3回に2死から四球と西田選手の捕球エラー(三直の打球)で先に1点を失いました。阪神は4回に緒方選手と狩野選手のヒットで1死一、二塁とし、今度は西田選手がファースト勧野選手のエラーを誘って同点。しかし5回に2安打で勝ち越しを許し、6回には渡辺投手が李杜軒選手のホームランを浴びます。打線は7回に代打・黒瀬選手に二塁打が出ただけ。8回は三者凡退、9回は星野投手にまた下位の陽川選手、岡崎選手、黒瀬選手が3三振を喫して試合終了です。

これでソフトバンクには3連敗、対戦成績が7勝13敗となりました。今季も勝ち越しはありませんね。そしてチーム通算成は49勝39敗7分けと、またまた貯金1まで減らしました。今季はカードによって違いが歴然で、ソフトバンクには6つ、広島には8つの負け越し。オリックスには12も勝ち越しと、得手不得手がクッキリしています。

鳴尾浜の練習風景

さて7日の午後、鳴尾浜の残留メンバーによる練習を見てきました。午前中のシートバッティング(吉見投手と白仁田投手が登板、捕手は藤井選手)で投手陣全員が守備についたそうです。セカンド田面投手、サード岩本投手、ショート鶴投手、レフト二神投手&小嶋投手、センター藤原投手、ライト島本投手という布陣。スポニチ細川記者によると、中でも鶴投手と岩本投手のフィールディングが素晴らしかったとのこと。またスタンドのお客様は藤原投手の守備範囲の広さを絶賛でした。試合でも一度、レフトを守ったくらいですもんね。

ロングティーの写真・その1
ロングティーの写真・その1
ロングティーの写真・その2
ロングティーの写真・その2
ロングティーの写真・その3
ロングティーの写真・その3
ロングティーの写真・その4
ロングティーの写真・その4

なお先日『九州遠征は残留』と書いた中谷選手は、ちゃんと行っていましたね。ごめんなさい!(既に訂正済みです)。そして間違いなく残留していた一二三選手なんですが、ちょっと体調を崩してしまったようで全体練習には出ていません。でも、もうそろそろ大丈夫なんじゃないでしょうか。

午後には野手3人と、なぜか藤原投手も一緒にロングティー。写真を何枚か撮ったので、ずらっと並べておきます。《その1》は3人並んで打っているところ。手前から小豆畑選手、原口選手、阪口選手です。《その2》が3人で並んで打っている、と思ったら一番奥の阪口選手がカメラに気づき、変顔してポーズを取っています。自分だけが背中しか写っていないと考えたんでしょうか?終了時には、バンザイのポーズをしていましたよ。《その3》は藤原投手の力強いロングティーの様子。藤原投手は2月の安芸キャンプでも、室内で1時間くらいマシン打撃をして「なかなかいいよ」と掛布DCもおっしゃっていたぐらい。もちろん本人いわく「ピッチングのため」だそうです。《その4》はロングティーのあと掛布DCと話をする原口選手。

「福岡から日帰り」だった鶴投手

夕方、ウエートトレーニングを終えた鶴投手に話を聞きました。素晴らしい守備だったそうで。「小学5年まで、ずっとショートでしたからね。たまにピッチャーやってて、6年からはピッチャー1本ですけど」。なるほど経験者ですか、っていっても17年くらい前の話でしょう?華麗なジャンピングスローもあったとか。まあ走るのも含めて鶴投手は“アスリート”だし、ピッチャーにとっても必要な動きだし。「そうです!」

鶴投手はカメラを見た途端に顔を隠すので、その隙を狙って撮りました。ヨシッ!
鶴投手はカメラを見た途端に顔を隠すので、その隙を狙って撮りました。ヨシッ!

ところで5日のナイター・ソフトバンク戦が雨天中止で、でも翌日の朝には鳴尾浜で練習していた鶴投手。午前中に中止は出たみたいですが、移動中の新幹線でそれを聞いたため、小倉まで乗って北九州市民球場まで行ったんですって。さらに北九州市から福岡市まで移動して練習、そのあと宿舎のホテルで着替え「食事会場でビール飲んで帰ってきましたよ(笑)」。しかも帰宅したのは日付が変わる頃だったとか。

お疲れ様でしたねえ。岡山や広島から、せめて小倉から引き返すとかいう選択肢はなかったんでしょうか。まあスライド先発するかどうか、まだわからなかったのかもしれませんね。それなら、せめて1泊して朝イチで還るとか。「いえ、僕まだ若手なんで」。すると細川記者が「9年目」と絶妙のタイミングで言い、鶴投手も「ぶっ!」と吹き出しました。次の先発は10日。仕切り直し先発、頑張ってください。

8月になったけど、一生懸命は変わらず

そんなわけで10日の予定だった島本投手の先発も、青森遠征もなくなりました。本人はこういう事態に慣れているのか淡々としていますが…残り試合の少なさを思うと切ないものです。

いつも本当に“いい顔で撮れる”阪口選手。これも彼らしい1枚です。
いつも本当に“いい顔で撮れる”阪口選手。これも彼らしい1枚です。

いつの間にか8月になり、いえ…気づかなかったはずがありませんよね。7月31日が終わる時に、しっかり意識はしていました。だけど期限内に支配下登録をされなかった3人の育成選手のことを考えたら、何と声をかけていいのか。でも阪口選手はいつも通りの口調で「8月になっちゃいましたね」と自分から言ってくれたのです。そうやねえ。でも終わったわけじゃないから。「はい!そうですよ。頑張りますよ」。とても爽やかな笑顔でした。原口選手も島本投手も、変わらず懸命に汗を流しています。

そして今度は青森へ

9日に青森県の八戸長根公園野球場、10日に青森県営球場でイースタンの楽天とファーム交流試合があります。きのうまで残留していた小豆畑選手、原口選手、阪口選手は青森へ行きました。また伊藤和投手が今回は遠征に参加するそうで「青森というより東北が初めてかも。あ、山形には行ったことあります」と言っていました。この前のいい感触が継続できるよう祈っています。みんな青森は初めてのようで、楽しみにしていましたよ。タイガースのファーム自体も、青森は初じゃないでしょうか。

今年の日程が決まった時に、北條選手は「マジですか!?」と相当喜んでいました。泊まるのは八戸か青森かを気にしていたので、きっと向こうにいる友達と連絡を取ったのでしょう。見に来てくれるのかな。あ、弟の裕之選手(八戸学院光星)はちょうど甲子園なので入れ違いですね。長根公園野球場も青森県営球場も3年間よく試合をした場所だとか。とにかく雨だけが気がかりです。問題なくできますように。

小豆畑さん、頑張ってくださ~い!

小豆畑選手にリストバンドをもらって大喜びの男の子たち。みんな中学1年生です。
小豆畑選手にリストバンドをもらって大喜びの男の子たち。みんな中学1年生です。
Wグッチ(原口、阪口)の守備練習を見て、何とも言えない笑顔を見せる小豆畑選手。
Wグッチ(原口、阪口)の守備練習を見て、何とも言えない笑顔を見せる小豆畑選手。

最後にもう一つ、7日の鳴尾浜でのできごと。練習を見学していた3人の男の子にスタンドから何かをせがまれた小豆畑選手は、自分のリストバンドを1つプレゼントしました。喜んだ少年たちですが、何やら揉めている様子。きっと取り合いになったんでしょうね。すると小豆畑選手は、わざわざ2つ取ってきて渡してあげたのです。私は見ていなかったのですが、スタンドにいたお客さんは思わず拍手されたとか。目撃されたお客様は、小豆畑選手の株が一気に上がったとおしゃっていましたよ。

「1つあげたら『オレのや!オレのや!』とケンカみたいになっていたんですよ。だから、ちょっと待って、あと2つあげるからと言いました」と説明する小豆畑選手。太っ腹ですね~。「いやいや、こんな時くらいしかできないので」と謙虚な言葉。男の子たちはよく鳴尾浜に来ているらしく、残留練習の選手たちのこともよく知っていました。これからも小豆畑選手を応援してくださいね。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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