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原口の先制弾も報われず、ソフトバンクに今季2度目の3タテ… 阪神ファーム 

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

29日は雁の巣球場に戻って行われたウエスタン・ソフトバンク戦。この3連戦で初めて阪神が先制しています。4回に原口選手の4号ソロ!しかし中盤に逆転され、8回に横田選手の二塁打から新井良選手がタイムリーで1点返しただけ。5対2で負け、3タテを食らってしまいました。今季の阪神ファームは3タテ、つまり同一カード3連敗は5月2日~4日に一度あり、これもソフトバンク戦(鳴尾浜、甲子園)です。4月はこちらが3連勝していたのに、いつのまにか勝ち越されて6勝10敗。やっぱり苦手なんですかねえ。

《ウエスタン公式戦》6月29日

ソフトバンク-阪神 16回戦 (雁の巣)

阪神 000 100 010 = 2

ソフ 000 012 20X = 5

◆バッテリー

【阪神】吉見-●西村(2敗)-山本-白仁田-筒井-玉置 / 鶴岡-小宮山

【ソフ】○大隣(3勝)(7回2/3)-武田(1/3回)-S星野(1敗5S)(1回) / 山下

◆本塁打 原口4号ソロ(大隣)、カニザレス6号ソロ(西村)

◆二塁打 勧野2、黒瀬、塚田、横田

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]指:伊藤隼 (3-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .283

2]遊:北條  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .239

3]二:黒瀬  (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .250

4]右:新井良 (3-1-1 / 0-1 / 0 / 0) .294

5]捕:鶴岡  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .250

〃捕:小宮山 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .140

6]三:陽川  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .241

〃打:荒木  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .290

7]一:原口  (3-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .304

〃打:阪口  (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .279

8]左:中谷  (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .182

〃打:森田  (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .250

9]中:横田  (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .213

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

吉見   5回 85球 (4-3-1 / 1-1 / 3.00)

西村  0.2回 13球 (2-1-1 / 2-2 / 6.98)

山本  0.1回 4球 (0-0-0 / 0-0 / 1.42)

白仁田 0.1回 10球 (2-0-0 / 2-2 / 4.46)

筒井  0.2回 10球 (1-0-0 / 0-0 / 2.41)

玉置   1回 8球 (0-1-0 / 0-0 / 3.46)

先取点は阪神でした。

4回2死から、原口がソフトバンク先発・大隣の真っすぐをレフトへ放り込み、今季4号ソロ!しかし4回まで1安打無失点だった吉見が5回、連続三振で2死を取りながら7番以降の3連打で1点を失い、同点とされます。6回は2人目の西村が先頭のカニザレスにホームラン(もう6号なんですね!)、四球などで2死一塁として6番・勧野の左中間タイムリー二塁打で計2失点。ここで西村は降板し、山本が山下を中飛に打ち取りました。

7回に登板した白仁田は先頭の真砂に右前打、犠打で進めて塚田の右越えタイムリー二塁打を浴びて降板。代わった筒井が代打・松中に右前タイムリー。牧原は遊ゴロ併殺打に仕留めたものの、この回また2点を追加されて5対1、4点差となります。

原口のホームランのあとは、6回2死から鶴岡が右前打しただけでチャンスもなかった打線。ようやく8回に先頭の横田が大隣から右翼線二塁打を放ち、伊藤隼が四球。北條と黒瀬はフライアウトに倒れるも、4番・新井良が左前タイムリー!1点を返します。その裏を玉置が三者凡退で締め、9回は代打攻勢でしたが…荒木は左飛、阪口がショート内野安打、森田と9番の横田は連続三振に倒れて試合終了。

原口、失投を捉えた1発!

「ストレートです。真ん中に来た失投を、しっかり仕留められました!」と原口選手は先制弾を振り返ります。「投げた瞬間に、大隣さんも(キャッチャーの)山下も失投だとわかったようで、声が聞こえました」。声?それは原口選手がバットを振る前ですよね?「はい、打つ前に聞こえたんです」。どんな声だろう。あーっ!とか。「そんな感じです」。へえ~バッテリーともに思わず声が出る失投で、それを逃さず捉えたわけですね。

今季第4号を放ち、6月だけで3本塁打の原口選手!写真は3号を打った日のものです。
今季第4号を放ち、6月だけで3本塁打の原口選手!写真は3号を打った日のものです。

しかしソフトバンクの公式サイトで、なぜか動画の再生ができなくて…もう一度見られない状態。また復活するのかなあ。すると原口選手は「また頑張ります」と。なるほど、またホームランを打ってくれるってことだなと勝手に解釈しました。

これで今季4号。原口選手の公式戦ホームランは2年目の2011年に2本で、1年目と昨年はありません。2011年の1号、つまり公式戦プロ初アーチが3ランで、オリックス・古川投手(神戸サブ)から。2号2ランは広島の松田投手から(甲子園)でした。ことしは1号ソロがソフトバンクの帆足投手(甲子園)、2号ソロは広島の久本投手(鳴尾浜)、3号は記憶に新しい楽天の濱矢投手(鳴尾浜)、そしてソフトバンク・大隣投手(雁の巣)。

前にも書いた気がするんですけど、6本ともすべて左投手から打っています。原口選手は「そうなんですか?」と意外そうな反応で「そんなに意識はしていないですよ」とのことでした。いよいよ運命の7月へと突入しますね。本人は「はい、頑張ります!」とひとこと。等身大の原口選手が真摯に取り組む野球を、ぜひ評価してほしいと願ってやみません。もちろん阪口選手、島本選手も同じです。

西田が大先輩から学んだもの

29日、甲子園での中日戦は初回に8失点という、まさかの大敗でしたね。これで5連敗、4位に転落した1軍…。能見投手が心配です。それにしても、中日の谷選手がプロ初の猛打賞とか。その谷選手をして「顔を見るのもイヤなくらい苦手」と言わしめる玉置投手がいたら、やはり谷選手が「マエケンのスライダーよりも打てない」と最大級の評価を与えるチェンジアップで三振を奪っていたかも。そんな妄想を抱いてしまった私です。

この試合では、27日に1軍へ戻った西岡選手が復帰後初ヒットとなる右前打を放っています。重苦しい展開だったけれど、これで少しは気持ちが楽になったでしょうね。西岡選手が翌日から1軍に合流という25日、ウエスタン・オリックス戦のあとで西田選手に話を聞いてみました。同じ試合に10日くらい出て、改めて感じたことはありますか?

「いっぱい!普通の先輩後輩だけでなく、大阪桐蔭の大先輩でもあるので、試合中は塁に出ても守っていても見てしまいます。どういうふうにするのかなって。結構、僕のことも見てくれていると感じました。次の塁をもっと習う姿勢を見せろと強く言ってくれたり。普段はいじられてることが多いんですけど(笑)…野球に関しては真剣に教えてもらってます」

どんなことを真剣に教えてくれるのか尋ねると、西田選手は「次の塁を狙う姿勢は、足が速くなくても見せられる。行く気があるかないかの問題。行こうとしたら、それだけで何かが起きるって言われました。現にこの前は西岡さんの走塁でチャンスが広がったし。僕もそういうふうに言ってもらって次の塁を狙うようにしたら、実際チームに勢いがついた試合もあったので」と説明してくれました。

そして「ファームの中で一番にならないと1軍には呼ばれない。バッティングに目がいきがちやけど、いい走塁をしたら打つだけでなく目立つことができる。そういうところを見習わなあかんと思います。あんなふうにならないと1軍でレギュラーは取れないでしょう?」と。いつかまた同じグラウンドに立てる日まで、先輩の教えを形にして“上”を目指す西田直斗選手です。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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