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秋山投手がプロ1号!しかし逆転負け… ことしは広島が苦手な阪神ファーム

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

20日の阪神ファームは山口県岩国市由宇町での広島戦でした。便宜上『由宇球場』と呼んだり書いたりしていますが、正確にはカープの『由宇練習場』なんですよね。先発の秋山投手にとっては、ルーキーだった2010年の春に“初”が2つ続いた球場。この年初めて先発したのが3月11日の教育リーグ・広島戦で、公式戦初先発も4月3日の広島戦、どちらも由宇でした。公式戦の方はDH制ではなかったので初打席も経験。左バッターボックスへ入った秋山投手の後姿を新鮮に見ていた記憶があります。観戦されたお父さんは「打てなかったことを悔しがっているかも」と笑っておられました。

そんな由宇で、20日は7回に自ら先制の2ランを放った秋山投手!でも8回に途中降板となって逆転を許してしまい、4敗目を喫しています。それでも防御率は1.99とギリギリながらも唯一の1点台をキープ。奪三振70とともにリーグトップです。チームは広島との対戦成績が3勝11敗となりました。なかなか苦手意識を払拭できませんねえ。なお4番は約2週間ぶりに伊藤隼選手が務めています。

《ウエスタン公式戦》6月20日

広島-阪神 14回戦 (由宇)

阪神 000 000 200 = 2

広島 000 000 03X = 3

◆バッテリー

【阪神】●秋山(6勝4敗)-高宮-鶴 / 鶴岡

【広島】福井(7回)-江草(2/3回)-○梅津(2勝3S)(1/3回)-Sフィリップス(12S)(1回) / 磯村-中村亘(8回~)

◆本塁打 秋山1号2ラン(福井)

◆二塁打 安部2、松本、伊藤隼、迎

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]二:荒木  (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .298

2]三:西田  (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .233

3]右:福留  (3-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .207

4]左:伊藤隼 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .262

5]捕:鶴岡  (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .190

6]一:陽川  (3-2-0 / 0-1 / 0 / 0) .217

〃走:阪口  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .245

7]遊:北條  (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .220

8]中:横田  (3-1-0 / 0-0 / 1 / 0) .219

〃打:原口  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .341

9]投:秋山  (3-1-2 / 0-0 / 0 / 0) .333

〃投:高宮  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃投:鶴   (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .250

〃打:狩野  (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .304

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

秋山 7.1回 104球 (9-5-1 / 3-3 / 1.99)

高宮 0.0回   7球 (1-0-0 / 0-0 / 0.87)

鶴  0.2回 15球 (0-1-2 / 0-0 / 1.93)

打線は広島先発の福井に対して2回、2死から陽川が中前打するも他はみんな三振で無失点。3回は先頭・横田の右前打や相手エラー、四球などで2死満塁と攻めましたが、4番に戻った伊藤隼が二ゴロに倒れて三者残塁。6回まで2安打無得点です。しかし7回、1死から北條の左前打と横田の二ゴロ、入れ替わった走者・横田の二盗で2死二塁となり秋山がライトへ2ラン!

その秋山は6回まで毎回安打を許すピッチングでした。5回までは安部の二塁打(3回)を含む1安打ずつ、6回は2死から5番の松本に左中間二塁打を浴びますが、続く下水流の由宇ゴロ内野安打で松本の走塁ミスもあって、6回まで無失点。自身の2ランで先制した直後、7回裏はこの試合初めての三者凡退で締めています。

ところが8回、打線は江草に対して2死から伊藤隼が左中間二塁打を放ち、ここで梅津に交代。鶴岡は中飛で追加点ならず。するとその裏、秋山は先頭の鈴木誠に左前打、安部に右中間二塁打を浴びて無死二、三塁。続く土生の一ゴロで1点を返されました。次のキラに四球を与えたところで降板。1死一、三塁で代わった高宮はキラの代走・上本に盗塁を許し、代打・迎の左中間二塁打で2人を還し…これで逆転。

ついで鶴が登板して2死から2死球を与えて満塁のピンチを作りますが、最後は代打の美間を三振に仕留めて終了。9回は先頭の陽川が中前打するも北條は送れず、代打・原口と代打・狩野が倒れて無得点。試合が終わりました。

現地に行けないため試合後の話はありませんが、スポニチ遠藤記者に秋山投手のコメントだけ聞いてもらったのでご紹介します。「内容はめちゃくちゃ悪かったです。早打ちに助けられました」。残念ながらプロ初ホームランについては何もなかったそうで、また機会があれば聞くことにしましょう。まあ秋山投手は1軍でもヒットを打っていますしね。

2試合連続で中5日という登板をこなし、交流戦明けで1軍という段取りに支障はないと思われます。もう一度、ファームで投げるんですかね。今度こそ1軍で結果を残すという思いを胸に。

土日の由宇は天気予報がかなり悪いんですけど、試合ができるよう祈るしかありませんね。21日は岩崎投手、そして22日はきのう合流した二神投手の先発と思われます。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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