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阪神ファーム・秋山拓巳投手が今季リーグ2人目の完封勝利!

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

8日のウエスタン・オリックス-阪神戦は、京都市右京区西京極のわかさスタジアムで開催されました。地元の大学生たちが、試合前セレモニーでの国歌斉唱やバトン・チアのチームによるパフォーマンス、またスタンドでは似顔絵コーナーを設けるなど大活躍。詰めかけた2806人のお客様も、1つ1つのプレーに歓声を上げたり悔しがったり。甲子園や鳴尾浜とはまた違う、熱気ムンムンの盛り上がりだったように思います。

8日、わかさスタジアムで場内アナウンスに挑戦する子どもたち。男子もいましたよ。
8日、わかさスタジアムで場内アナウンスに挑戦する子どもたち。男子もいましたよ。

試合中、突然かわいらしい声で「2番セカンド堤」とか「ファウルボールにご注意ください」というアナウンスが流れ、京都の暑い空気をフッとやわらげてくれました。オリックスの企画で以前にも聴いたことはありますが、今回ちょっと放送室を拝見。アナウンスをするのはオリックス側の攻撃だけなんですけど、参加した子どもたちは阪神のユニホーム姿がほとんど。みんななかなか上手で、スタンドでも好評でした。

秋山 リーグトップの58奪三振

さて試合は秋山投手が2回までの2安打のみで、あとは7回に1四球があっただけ。2回以降すべて3人で片づける完ぺきなピッチングです。二塁に走者を置いたのも1回だけでした。オリックス投手陣から12四死球をもらった打線は、伊藤隼選手の3ランや原口選手のタイムリー二塁打などで7得点。チームは今季4度目の完封勝ちです。

秋山投手は今季チーム初完投。完封はソフトバンク・飯田投手についで今季リーグ2人目です。これが5勝目で、やはり飯田投手の7勝に次ぐ2位。防御率も前回の2.26から一気に1.93と1点台に上昇しましたが、やはり飯田投手の1.58がトップで2位です。でも奪三振はソフトバンクの東浜投手を抜いて単独トップの58個となりました!

《ウエスタン公式戦》6月8日

オリックス-阪神 14回戦 (わかさ)

阪神 000 002 320 = 7

オリ 000 000 000 = 0

◆バッテリー

【阪神】秋山(5勝3敗) / 藤井

【オリ】●森本(3敗)(5回1/3)-古川(2/3回)-佐藤峻(0/3回)-戸田(1回)-柴田(1回)-甲藤(1回) / 若月

◆本塁打 伊藤隼3号3ラン(佐藤峻)

◆二塁打 原口、伊藤隼

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]指:柴田  (3-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .260

〃打指:原口 (1-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .310

〃打指:黒瀬 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .182

2]二:北條  (2-0-0 / 1-2 / 0 / 0) .219

3]右:伊藤隼 (2-2-4 / 0-3 / 0 / 0) .252

4]三:陽川  (3-0-0 / 2-2 / 0 / 0) .223

5]一:森田  (3-0-0 / 2-2 / 0 / 0) .252

〃一:阪口  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .222

6]遊:西田  (5-2-1 / 1-0 / 0 / 1) .251

7]捕:藤井  (3-2-1 / 0-2 / 0 / 0) .500

8]中:横田  (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .200

〃打:狩野  (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .253

〃中:中谷  (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .187

9]左:一二三 (5-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .167

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

秋山 9回 108球 (2-8-1 / 0-0 / 1.93) 144

後半の7点で秋山の完封を援護

打線は1回2死から伊藤隼が四球、続く陽川は頭部への死球で、オリックス先発の森本はいったん危険球退場を宣告されますが、審判や監督による協議の結果、続投となりました。ここは2者残塁、それ以降も5回までは藤井が2回に中前打しただけ。計4四死球はあったものの6三振(4回は3者連続)を喫するなど無得点です。

しかし6回、3四球などで1死満塁として西田がピッチャー強襲のタイムリー内野安打!ここで森本は降板しますが、代わった古川から藤井が四球を選んで押し出し。代打・狩野と一二三は連続三振に倒れて2点で終了。7回は佐藤峻に対し、まず柴田が四球、北條は犠打失策(佐藤峻の一塁送球が遅れる)で無死一、二塁となって伊藤隼がカウント1-2からの真っすぐを右中間へ3ラン!さらに連続四球で、交代した戸田に後続を断たれるも大きな追加点が入りました。

8回はオリックス5人目・柴田から中谷が降り逃げ(記録は三振と暴投)、1死後に代打の原口が鋭い打球をセンターへ運び、中谷が一塁から生還!タイムリー二塁打の原口は、伊藤隼の3ランに負けないくらいの大歓声を浴びました。ついで北條が四球を選び一、二塁。伊藤隼は右越えのタイムリー二塁打!なおも二、三塁で陽川と森田は連続三振。それでも2点を加え、7対0とリードを広げて秋山を援護します。

その秋山は1回1死から堤に右前打を許し、続くバトラーの遊ゴロを西田がエラー(捕って送球しようとした時に軽くお手玉)で一、二塁としますが、4番の山本は空振り三振、川端を二ゴロに打ち取って無失点。2回は先頭の奥浪に左前打されたあと併殺打など3人で片づけました。以降は7回に先頭のバトラーを四球で出しただけで、これも併殺打があって3人で終了。それ以外は三者凡退ですから、1回を除く全イニングの攻撃を3人ずつで終わらせたわけですね。

2安打完封も自身へダメ出し

昨年7月31日のオリックス戦(北神戸)以来の完封勝利だった秋山投手。しかし試合後に話を聞くと「ちょっと…最後までマウンドに合わせることができなかったし。全然、藤井さんの要求通りでもなかったし。のらりくらりと来た感じですねえ」という答えでした。それでも打たれたヒットは2本だけ。「点を取ってもらったあとのイニングと、毎回の先頭には気をつけて投げました。バトラーに四球を出してしまった。そこ以外、試合の作り方に関してはスムーズにいったかなと思います。球に関しては、藤井さんも良いとは言わないでしょう。良くはなかったです」

藤井捕手と組んで「カットもそんなに投げていないし、カットというより真っすぐ中心だったんで。いつも使わないとこでのカーブであったり、向こうのバッターも困ってるかなという感じ」だったそうです。完投というのはどのあたりで?「前の負け方が負け方だったので、最初から行かせてもらえる限りは最後まで行くつもりでいた」。8奪三振ついては「変化球でもっと三振を取っていかないと1軍ではしんどい。追い込んでから甘く入って…結果的には打ち取っているけど、もうちょっと取れたかなと思います」と話しました。

108球で投げきったねと言ったら「でも1年目の初完封は94球でしたよ」と秋山投手。ルーキーイヤーに、しかも1軍でプロ初完投、初完封勝利を挙げたんですよね。2010年9月12日、甲子園でのヤクルト戦。無四球完封でした。球数は…あれ?93球ですよ。ま、いいか。それに次ぐ少なさだったのは間違いありません。藤井選手に、秋山投手本人は良くなかったと言っていたと伝えたところ「そんな球もあったけど、それほど悪くはなかったと思うよ。ちょっと高かったかな」とのことです。

監督がバッテリーを絶賛

平田監督は「秋山、素晴らしいね!コンスタントに調子がいい。3試合続けて良いピッチングしてくれた。1軍投手陣に何かあった場合は、すぐに上げれるレベルに来ている。上から叩けるようになってきたね」と絶賛。そして「藤井が秋山を好リードしてくれた。緩急の使い方、やっと戻ってきたという感じ。若い選手も見習ってもらいたい。いい見本になっている。バッティングもさすが。あの真っすぐを叩けていたのは藤井と原口だけや」とバッテリーごと“はなまる”の試合でした。

3ランとタイムリー二塁打で2安打4打点の伊藤隼選手には「やっとスイングできるようになってきた。ちょっと前まで調子を落としていたけど、おとといも二塁打を打ったし。きょうもホームランのあと二塁打が出た」と平田監督。陽川選手に4番を譲ってから4試合。伊藤隼選手の照準はここの4番でなく、1軍で打つことに合わせてあるはずです。

監督が名前を出した原口選手は、8回1死一塁で代打出場して中越えのタイムリー二塁打。ナイスバッティングと言うと「打ったのは真っすぐです。そうですね、よかったですね」と明るい声。5日の3安打に続き、素晴らしい当たりでした。打率も.310と上昇!「まだまだ打ちますよ。頑張りますよ」と、10日から中日3連戦が行われる名古屋遠征にも参加するようです。ナゴヤ球場でDH制はありませんが、どんな形でも打席に立ちたいでしょう。出番がたくさん訪れますように。

なお8日は秋山投手のスライド先発となりましたが、本来は島本投手だったみたいですね。高校時代、京都府大会でいつも使っていた球場で先発とあり、ご両親や友だちが観戦予定だったのでは?それはとても残念です。でも、いつか自分が登板予定を変更されないような投手になればいい。そう思って、島本投手は次へ向かっている気がします。なお名古屋遠征は不参加ですが、そのあとに先発のチャンスがあることを期待!

皆さんも暑さ対策を忘れずに…

最後に陽川選手の話を。7回の攻撃中、陽川選手がカウント2-2から1球ボールを選んで、おもむろにヒジ当て(エルボーガード)を外し始めたのです。これでフルカウントのはずだけど?と思っていたら、レガースはそのままでヒジ当てだけ取って打席に。どこか壊れたか何かで外したんだろうと納得。結局は四球でした。ところが、3ボールになった時に四球と勘違いしたそうで「みんなが違う違うと言っていて気がついた。よくわからなくなって…」と。かなりの暑さだったせいかもしれませんね。これからの季節、要注意です。

それと1回の頭部への死球は「全然、何ともないですよ!」と平気な顔。確かに、まるでユニホームをかすっただけみたいな様子でした。「はい。まったく問題ないです。僕しょっちゅう頭に当たってるんで(笑)」。でもほんと大事でなく、よかったですね。もちろん上記の「よくわからなくなった」のとは無関係ですので、ご安心ください。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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