Yahoo!ニュース

阪神ファーム・秋山拓己投手 同じ淡路でプロ初勝利を挙げた4年前の思い出

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

24日と25日に兵庫県の淡路佐野運動公園第1野球場で行われた中日戦は阪神の主催試合ですが、同じく主催のJA淡路日の出から贈られる賞(淡路島特産品)は両チームの選手が対象でした。2試合分の獲得者は以下の通りです。

◆本塁打賞(淡路ビーフ) 藤井、高橋周、岡崎

◆三塁打賞(玉ねぎ20キロ) 森越

◆二塁打賞(お米10キロ)北條3小宮山高山2、高橋周、森越、桂

◆猛打賞(玉ねぎ20キロ) 森越

◆勝利投手賞(淡路ビーフ) 小川、鈴木義

北條選手は二塁打3本でお米30キロですが、それよりも重いのが中日・森越選手の玉ねぎ40キロ&お米10キロ。玉ねぎ40キロはご近所に配らないと、なかなか消化できないだろうなあ。大きなお世話ですけど。樋口マネージャーに伺ったら「もう選手それぞれに賞品の送付用紙を渡しましたから、どこに送ってもらうかは各自の自由」だそうです。まあ過去の例では選手寮か実家になるんでしょうね。

残念ながら2試合とも阪神が負けてしまったので勝利投手賞はなく、淡路ビーフは代打ホームランの岡崎選手だけでした。そういえば他は全部、お米だったんですね。4年前に代打で二塁打を放ち、お米10キロを獲得した高橋光信選手(現1軍打撃コーチ)は「助かるわ~ちょうど切れてたんで(笑)」と大喜び。そして秋山投手は勝利投手賞の淡路ビーフ以外に、確か玉ねぎ20キロも貰っていた記憶があります。

「気持ちも乗っていました!」

きのうも少し書いたように、それは秋山投手がルーキーだった2010年5月30日の淡路でのこと。この年はオリックスとの2連戦で、ちなみに阪神が連勝しています。2戦目は秋山投手とオリックス2年目の西投手との投げ合いでした。今年と同じく秋山投手は5回で7三振を奪い(3回まではなんと6奪三振のパーフェクト!)7回2安打1失点。残りを藤原投手と筒井投手が抑えて、3回までに2点を先取した打線は8回に高橋光選手のタイムリー二塁打を加え3得点。秋山投手のプロ初勝利を援護しました。

ちょっと昔の写真を探してきました。19歳の秋山投手。やっぱり…若いですね!
ちょっと昔の写真を探してきました。19歳の秋山投手。やっぱり…若いですね!

これが公式戦5度目の先発で、初めてイニングや球数の制限を解かれ「気が抜けないからドキドキで…。すごく集中していた」と初々しいコメントの秋山投手。「ずっと調子よかったんで、きょう勝てるかなと思っていました」。高校時代から球の終速が落ちないので、自信を持って投げたと振り返りました。中西投手コーチも、5度の先発すべてリードした清水選手も絶賛だったのを覚えています。

ご両親、特に東京で西条高校OBの総会に出席されていたお父さんは、予定を繰り上げ帰ってきての観戦で「見ていなかったら後悔するところ。感無量です!」とおっしゃっていました。またJAさんからの賞品以外に監督賞としてノートパソコンもゲットした秋山投手ですが「先月、19歳の誕生日にパソコンを買ってやったばかりなのになあ」と笑うお父さん。先日、秋山投手にパソコンのことを尋ねてみたら「同じ機種の色違いやったんですよ(笑)」とのこと。2台をどうしたんでしょうね。そこは聞いていなくて残念。

4年前のこの日、試合前に記者席へやってきてスポーツ紙を見ていた秋山投手。2面、3面とじっくりと目を通し、戻した1面にはちょうど前日(2010年5月29日)1軍でプロ初勝利を挙げた鶴投手の記事が大きく出ていました。「僕もここに載ります!」。そう言って笑う顔は無邪気であり、頼もしくもあり。公言通り秋山投手は、この年の夏から秋にかけて何度も1面を飾ったんですよね。今年もまた楽しみにしています。

今季40試合を消化して

さて阪神ファームは25日で、ちょうど40試合を消化。ウエスタン・リーグの順位はこんな感じになりました。右端の数字はすぐ上のチームとのゲーム差です。

1 広 25勝 14敗 2分 .641

2 ソ 25勝 15敗 1分 .625 0.5

3 神 18勝 19敗 3分 .486 5.5

4 オ 14勝 23敗 4分 .378 4.0

5 中 13勝 23敗 2分 .361 0.5

主な個人成績は、まず中谷選手と北條選手が40試合と全試合出場中。伊藤隼選手の打率.281が規定打席到達者ではチーム最高(リーグでは14位)。以下はチーム最多の選手で、中谷選手のホームラン3本はリーグ10位タイ、三塁打は荒木選手の3本でリーグ3位タイ、二塁打は北條選手の7本がリーグ5位タイとなりました。また荒木選手の盗塁10はリーグ2位、トップがソフトバンク福田選手の15です。

四球の数は北條選手が19個で、高橋周選手と並んでリーグ最多。死球は阪口選手が4個でリーグ2位。西田選手は安打数34と打点16がチーム最多で、ともに8位タイです。ちなみに三振数は一二三選手が33でリーグ2位タイ、西田選手が32でリーグ4位タイ。最多はオリックス園部選手の35三振なので、あまり差がありません。

投手を見ると、秋山投手は16試合登板でリーグ2位タイ(オリックス古川投手の17が最多)、奪三振40はリーグ2位(ソフトバンク飯田投手が41)、投球回数は45回2/3でリーグ3位(広島の今井投手とソフトバンクの東浜投手が46回)。玉置投手が8セーブでリーグトップを守っています。7セーブと追い上げてきた広島のフィリップス投手も1軍にいたんですが、24日に抹消されました。ここからまた競争です。本当は競争するより、2人とも早く1軍に戻りたいでしょうね。

きょう27日から阪神は雁の巣でソフトバンクとの3連戦。島本投手が公式戦2度目の先発に臨むはずで、もし1戦目が流れてしまうと余波で機会を失う可能性もあるから、お天気が回復して何よりです。いい知らせが聞けるのを楽しみにしています。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

岡本育子の最近の記事