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甲子園でのウエスタン公式戦、3千人を超えるお客様は5年ぶり!

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

3日は阪神甲子園球場でのウエスタン・ソフトバンク戦でした。ゴールデンウィークの真っ只中でもあり、続々と詰めかけたファンの皆様は総勢3206人!もちろん1軍戦とは違って外野席やアルプス席、一塁側と三塁側の内野席は開放されないのですが、3000人を超えると久しぶりに「スタンドが埋まっている」という感じですね。昨年は天候に恵まれず流れた試合も多かったため、観衆2000人以上の日はありませんでした。

甲子園で5年ぶりの“大入り”

もっとさかのぼってみると2004年6月5日に3340人、2005年7月17日に3243人、これが記録に残っている最多だったみたいです。ところが2009年5月5日の広島戦で5754人という、ものすごい数字に塗り替えられました。試合開始後も客足が途絶えず、13時過ぎから一塁側内野席も開放される異例の措置。なぜこんなに多かったんでしょう?スタメンは坂、上本、藤原、林威助、メンチ、バルディリス、野原将、小宮山、岩田。広島は鈴木、安部、小窪、岩本、松山、鞘師、比嘉、白浜、佐藤。

2009年はこれだけじゃありません。翌5月6日の広島戦も3220人で、最終戦だった9月23日のソフトバンク戦が7054人という驚異的な数!覚えていらっしゃいますか?現スカウト・(田中)秀太選手の引退試合でした。鳴尾浜ではお客様が入りきらないだろうと、甲子園に変更されたもの。後にも先にも7000人なんてのはこれだけですね。

それ以降で2000人以上の試合を調べると、2010年は7月4日のオリックス戦が2533人、2011年は7月9日のソフトバンク戦が2887人で一度ずつあるだけ。2012年はゴールデンウィーク中に2600人以上の試合が3度。よって3日の3026人は、2009年9月23日以来となる3000人超えのお客様、ということです。

この日盛り上がったのは…

ただし試合は…ソフトバンクを上回る8本のヒットを放ちながら、今季公式戦3度目の完封負け。一番盛り上がったのは8回表、カニザレス選手のファウルチップが柳内球審の股間を直撃した場面です。トレーナーも出てきて腰をトントン、それを申し訳なさそうに眺めるカニザレス選手。とどめは中断のお断りをする場内アナウンスで「ごらんのような状況ですので、しばらくお待ちください」というコメントでした。

私もすぐに吹き出したけど、スタンドはクスクスどころか大爆笑の渦ですよ。「ごらんのような状況」って…。柳内さんも恥ずかしかったでしょう。あ、それどころじゃないのかな。申し訳ないと思いつつ大笑いしてしまいました。通常通り「手当をしております」ではダメだったんですかねえ。そして柳内さんが“ごらんのような状況”から復活した時、この試合で一番大きな拍手が起こった次第です。

長い前振りですみません。では試合の結果と経過、コメントをご紹介します。

《ウエスタン公式戦》5月3日

阪神-ソフトバンク 6回戦 (鳴尾浜)

ソフ 010 000 100 = 2

阪神 000 000 000 = 0

◆バッテリー

【阪神】●榎田(2敗)-吉見 / 日高

【ソフ】○飯田(4勝)(9回) / 山下

◆本塁打 塚田5号ソロ(榎田)

◆二塁打 李杜軒

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]一:中谷  (3-0-0 / 0-1 / 0 / 2) .179

2]中:緒方  (4-2-0 / 1-0 / 0 / 0) .298

3]指:狩野  (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .196

4]右:伊藤隼 (3-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .282

5]捕:日高  (4-2-0 / 2-0 / 0 / 0) .303

〃走:横田  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .200

6]三:陽川  (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .150

7]左:一二三 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .154

8]二:北條  (4-1-0 / 0-0 / 0 / 1) .134

9]遊:西田  (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .171

〃打:原口  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .150

〃遊:阪口  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .333

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

榎田 8回 111球 (5-6-2 / 2-1 / 1.50)

吉見 1回 12球 (0-1-0 / 0-0 / 1.80)

榎田は1回、連続三振などで三者凡退と上々の滑り出し。2回も3球で2死としますが、6番の塚田にボールスリーのあとストライク、次の真っ直ぐをレフトスタンドへ運ばれ先取点を与えました。それ以降は3回と6回に李杜軒のヒットを許しただけで無失点。しかし球数が80を超えた7回、1死から7番の福田に中前打を浴びます。

ここで榎田からのけん牽制球をファースト中谷が捕れず。このエラーで二塁へ進んだ福田に初球で三盗を決められて1死三塁となり、山下の左前タイムリー。続く真砂を投ゴロ併殺打に仕留め、8回は三者凡退。榎田は8回を投げ5安打2失点(自責1)、最速は143キロです。9回は「ロッテ時代の交流戦で先発して以来の甲子園」という吉見が登板。猪本、牧原、塚田を三者凡退に切って取りました。

打線は1回、内野安打の緒方が盗塁失敗した直後に狩野が左前打。伊藤隼は四球で一、二塁となりますが日高は三振で得点なし。2回は陽川と北條の中前打で1死一、三塁。しかし西田が三振、中谷は遊ゴロで還れません。4回は先頭の日高が内野安打で出塁するも陽川の併殺打などで無得点。5回は2死から中谷の四球と緒方の右前打で一、三塁となりましたが狩野は右飛に倒れています。

7回は先頭の一二三が左前打しただけで、あとが続かず。そして9回は先頭の日高が中前打して望みをつないだものの、捕邪飛(山下が一塁ベンチ前でナイスキャッチ!)や内野ゴロでチャンスを広げることなく試合終了。

山本昌に学んだ緩急 榎田

ミーティングが終わったあと平田監督は、まず榎田投手について「球のキレやスピードも心配することなかった。順調。この前、山本昌と投げ合ったこともあって、緩いボールとか使って緩急をつけていたよ。日高がさすがのリードをしてた。ホームランの塚田、調子いいね。3-1からストライクを取りにいったとこ。不用意とはいえ打った塚田をほめるべきじゃない?」と話しています。

続いて悩みの種、打線には「きのう12安打で2点やろ?きょうは8安打で0点。むこうは5安打やのに。ここというところで打てない。それが他チームとの差やね。若い子の経験不足、実力不足。根気よくやっていくしかない。あした見とけよ」と、監督自身にも気合を入れるような締めくくりでした。

榎田投手は「前と変わらないです。日高さんが組み立ててくれて、それに応えらえた部分はあると思いますが、もう少しやらないと」と言います。もう少しとは?「打たれた部分」。要所でのピッチング?「そういうことです」。山本昌投手と投げ合って「スピードがないと言ったら失礼ですけど…緩急であるとか、どうやって真っすぐを生かすかというピッチングだった。そういったところが自分の勉強する部分だと思う」

前回、今回とファームで投げて「自分としては1軍でやっていることと変わらない。しいていえば、カウントを取る緩いスライダーが使えるようになったくらいで。真っすぐは最近、振りぬきがよくなった。前も悪くはなかったけど、少しバッターの感じ方が違うのかなと。詰まらせたり、ベース板のところでキレが出ているのかなとは思います。緩いスライダーが使えるようになって腕の振りが変わったのか、自分ではよくわからない。日高さんと話していて、緩いボールでの攻め方、真っすぐの使い方などここ2試合でできている」と分析する榎田投手です。

打席での対応力を 陽川

試合後の練習が始まる時、陽川選手は平田監督に呼ばれてベンチへ。どんな話だったんですか?「4打席全部、初球がスライダーだったんです。真っすぐを待っていてもスライダーを打つことはできるはず、左ピッチャーなら対応できるやろ?って言われました」。なるほど。1打席目は初球のスライダーがボール、でも中前打した4球目もスライダーでしたね。2打席目と4打席目は初球のスライダーを見逃し、3打席目はファウル。

「真っすぐ1本で待つんじゃなく、ということですね。右ピッチャーは難しいけど、左なら中に入ってくるので大丈夫です」と陽川選手。この日は友だちが観戦に来てくれていたそうですが、会えずじまい。「なかなか時間がなくて」と苦笑いしていました。ゴールデンウィークといっても、寮に帰って夕食を済ませて、また夜も自主練習という毎日なのでしょう。でも見に来てもらえるのは励みになりますね。

また、2安打で打率を.298まで戻してきた緒方選手は「いつも1打席目でヒットが出るけど、そこから打てていなかった。2、3打席目にどうするのかが課題だったので、その点ではよかったです。2本とも気持ちの入ったバッティングができたと思います。3本目、欲しかった!」と貪欲です。

小鷹・飯田はリーグ初完封

最後に、ソフトバンクの飯田投手は160球を投げてプロ初完投、今季チーム初完封です。それどころか、ウエスタン・リーグでも今季の完封一番乗りなんですね。そして広島・横山投手に並んでリーグトップの4勝目。この完封で規定投球回数をまたクリアした飯田投手。防御率は1.21となり、帆足投手(1.17)に次ぐ2位に再登場です。1.33だった二神投手が3位に後退してしまいました。

ソフトバンクのチーム防御率も2.67と上昇。阪神を抜いてリーグトップになっています。阪神もチーム防御率を2.69と少し上げたんですけどね。

きょう4日は白仁田投手が先発する予定。先月26日に紅白戦で4イニング投げ、1日は中継ぎで2イニング、けっこう間が詰まってませんか?と言ったら「あ、ほんとですねえ!」と笑っていましたよ、さわやかに。でも戻ってきた球速が楽しみです。できれば打線の援護もお願いします。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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