岩崎投手、初勝利おめでとう!ところがファームは育成試合に連敗
お立ち台でも“ふんわり笑顔”
2日のプロ野球は楽天・松井投手、広島・大瀬良投手の、ドラフト1位ルーキーの先発に注目が集まっていましたけど、われらがタイガースもルーキーの先発だったんですよね。この日、1軍出場登録されたドラフト6位・岩崎優(いわざきすぐる)投手がプロ初登板初先発。5回3安打無失点の好投で嬉しいプロ初勝利を挙げました!新井良太選手とともに初めてのお立ち台へ。「こんな時期に、まさかここに立てるとは思っていなかった」と感激しつつ、いつもの柔らかい笑顔で喜びを表しました。
「たくさん(点を)取っていただいて、しっかり守っていただいて、声もたくさんかけていただいて」と、ただ感謝の言葉を繰り返したルーキー。そういう岩崎投手のピッチングが大量得点を呼び、ホームゲーム初勝利にもつながったんですよ、きっと。本当におめでとうございます!それと安藤投手、加藤投手に続いて投げた筒井投手、岩本投手もしっかり抑え、試合終了時には田上選手の笑顔も。昇格してすぐ試合に出られるのが一番ですね。
さてファームは2日、鳴尾浜で社会人のNTT西日本と交流試合を行いました。春季キャンプ中に独立リーグや社会人チームと対戦するものは“練習試合”と呼んでいて、それ以降は(阪神にとっての)育成試合となるわけです。3月は珍しく1つも組まれておらず、4月は今のところ4試合が予定されています。1日は四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズと対戦し、打線がわずか3安打で4対0の完封負けを喫しました。そして2日のNTT西日本戦は9安打したんですが…
《交流試合》4月2日
阪神-NTT西日本(鳴尾浜)
NTT 002 121 000 = 6
阪神 200 000 010 = 3
◆バッテリー
【阪神】西村-岩田-高宮-伊藤和 / 岡崎-小宮山(3回~)-小豆畑(5回途中~)
【NTT】松田(2回)-吉川(2回)-吉岡知(1回)-小原(2/3回)-姫野(1/3回)-藤本(2回)-吉元(1回) / 戸柱-北崎(6回途中~)
◆三塁打 河本
◆二塁打 吉岡健、河本
◆打撃(打-安-点/三振-四死球/盗塁/失策)
1]右:緒方 ( 4-1-0 / 1-0 / 1 / 0 )
〃打:原口 ( 1-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )
2]中:柴田 ( 2-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )
〃中左:横田 ( 3-2-0 / 1-0 / 0 / 0 )
3]二:西田 ( 3-1-1 / 0-0 / 0 / 0 )
〃打遊:黒瀬 ( 2-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )
4]三:森田 ( 2-1-0 / 0-0 / 0 / 0 )
〃三:陽川 ( 2-1-0 / 1-0 / 0 / 0 )
5]指:狩野 ( 2-1-0 / 1-1 / 0 / 0 )
〃一:阪口 ( 1-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )
6]捕:岡崎 ( 0-0-1 / 0-1 / 0 / 0 )
〃捕:小宮山 ( 1-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )
〃捕:小豆畑 ( 2-1-0 / 0-0 / 0 / 0 )
7]左指:一二三 ( 4-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )
8]一中:中谷 ( 4-1-1 / 0-0 / 0 / 0 )
9]遊二:北條 ( 4-0-0 / 3-0 / 0 / 0 )
◆投手(安打-三振-四死球/失-自) 最速キロ
西村 4.2回 101球 ( 8-3-2 / 5-5 ) 141
岩田 2.1回 22球 ( 2-0-0 / 1-1 ) 143
高宮 1回 8球 ( 0-2-0 / 0-0 ) 143
伊藤和 1回 15球 ( 0-2-1 / 0-0 ) 141
打線は1回(と攻撃の経過から先に書くのは久しぶり)、緒方が左前打して初球で盗塁成功!柴田の一ゴロが野選を誘って無死一、三塁となり西田は二ゴロで二塁封殺。その間に緒方が生還。さらに森田の中前打、狩野の死球で1死満塁として岡崎の四球で押し出し。2点を先取しました。
先発の西村は1回に2死から二塁打を許しますが無失点。2回は三者凡退。ところが3回は9番の左前打などで1死一塁となり、そのあとセカンド内野安打(よく追いついた西田)、ショート内野安打(深いところで北條が好捕)が続き満塁…。4番・高本の2点タイムリーを浴びて同点。4回も先頭に二塁打など2死三塁として9番・赤嶺に勝ち越しタイムリー。5回は2死を取ってから連続四球で一、二塁となり6番・河本にタイムリー三塁打。2点を追加され、ここでバッテリーが交代します。
2死三塁で登板した岩田は1球で中飛。しかし6回に1死から内野安打(岩田がグラブに当てて方向の変わった打球を西田が捕り送球するもセーフ)、2死後に右前打で一、三塁。3番のところで一塁へけん制球を投げた岩田がボークを取られ、三塁走者を還しました。7回は5球で三者凡退に切って取った岩田。8回は高宮が2三振を奪いながら、わずか8球で三者凡退!9回は伊藤和が登板して2死から死球を与えましたが、こちらも2奪三振で無失点です。
打線は2回から4回まで三者凡退で、5回は2死から横田と西田が連打したものの横田が三塁でアウト。6回も1死から狩野と小豆畑が連打、しかし後が続かず無得点。7回は横田の内野安打のみ。8回は先頭の陽川がサード内野安打、1死後に小豆畑のゴロで二塁封殺を狙ったセカンドが送球エラーして一、二塁。一二三は3球で見逃し三振に倒れますが、続く中谷は中前タイムリー!ようやく1点を返しました。ただし2死一、二塁で北條は空振り三振。9回は代打・原口が右飛、横田と黒瀬は連続三振で試合終了。
半月ぶりに実戦登板の伊藤和
伊藤和投手は「真っすぐで空振りも取れましたし、スピードガンはそんなに出ていなかったんですけど、自分としてはいい感じで投げられたと思います」と話しました。右肩の張りで3月18日の1軍練習試合(対ヤクルト・神宮)以来の登板となり「最初は先頭を切るまで不安でしたが、しっかり腕を振って空振り三振を取れたので」とニッコリ。最後の三振は?「チェンジアップ。きょうはツーシームなしで、ほとんど真っすぐです」
支配下登録に向け「チャンスはあると思う。結果を出し続けるしかないので、もっともっとアピールしていけるように頑張ります」とのこと。ポジションに関しては先発、中継ぎ、どこでも構わないと言っていました。「ボール自体、ブルペンからずっと悪くない。空振りも取れている。最後のチェンジアップはものすごく抜けたねえ」と久保投手コーチ。これからどんどん投げていく予定で、雁の巣遠征にも参加します。
高宮も左肩痛から復帰
左肩を痛めていた高宮投手も復帰登板。「久々なので、投げられたことがよかった」。きょうは遊びなくビシッといきましたねえ。「いや、全然思ったところにいってないですよ。変化球はよかったですけど。でも力いっぱい放れたから気にせずいきました。若干フォームがまだ、いい状態ではないけど自分ではしっかり腕を振れたし、力もそれなりにあったのでよかったです。あとは細かいコントロールを固めていきたい」。戦列を離れている間は「肩の強化。治った時に再発というか、同じ痛みが出ないよう肩周辺のトレーニング」をしていたそうです。
また久保コーチは西村投手について「球速が戻らないので意図的に、休ませて長いイニングを投げるという方法を取っています。ゲームの中で強くするしかない。ゲームで投げるのが一番強くなるから」と話しています。1軍で大活躍した頃に比べ、球速は10キロ近く足りない右腕が気がかりな様子でした。
緒方「10日で戻りたい」
この日、岩崎投手に代わって登録を抹消された緒方選手。顔を合わせると「鳴尾浜で会わないようにと言っていたのに、もう会っちゃいました(笑)」と言いながらも、高校や大学で対戦したことのあるNTT西日本・松田投手(神戸国際大付属~亜細亜大)からヒットと盗塁。「試合や打席の機会が増えるので、すぐ(1軍に)上がるつもりでやりたい。自分の気持ちとしては10日で!」と、とても前向きです。
「まず開幕1軍を目指してやってきて、そこに残れて、今度はファームでしっかりやってこいということになった。でも、どんなふうに、どれくらいやればいいか見えてはきています。だから切り替えてやるだけ。きょうも1打席目で打てて盗塁も成功したのでよかった。これを継続していけたら呼んでもらえる。準備をして待っています。その間には、こっちでしかできないこともあるので。盗塁もそうですし、バッティングもいろいろ試せると思う。そして10日が経った時点で、すぐにでも行ける準備に入ります」
最後に、晴れやかな開幕セレモニーの感想も聞いておこうかな。ジャイアンツOBの豪華な顔ぶれも「特に何とも思わなかったです」という緒方選手。そして「来年はタイガースも80周年だし、これくらいやらないと。って考えてました」…すごい余裕!というか、ぜひ企画運営なんぞ担当していただきたいくらいですね。
夕方には4日からのソフトバンク戦(雁の巣)に向け、遠征の荷物出しが行われました。キャッチャーでは小豆畑選手、原口選手が残留のようです。陽川選手は参加しますが、横田選手は鳴尾浜に残ってみっちり練習だそうです。伊藤和投手、山本投手、玉置投手、鶴投手、阪口選手も荷物を積みました。