Yahoo!ニュース

阪神、オリックスとも同級生バッテリー!ウエスタン公式戦

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

22日も神戸総合運動公園サブ球場でオリックス戦が行われました。あられや雨は降らず穏やかな空だったんですが、ちょっと日差しが遮られるだけで寒さに震えます。まだまだ服装に調節が必要ですね。

この日は阪神が秋山投手とルーキー梅野選手(22歳)、オリックスはルーキー東明投手と伊藤選手(24歳)、どちらも同級生バッテリーで始まった試合。先制を許しながら追いついた打線ですが、すぐに逆転され…あとはまた打てずじまい。4安打1得点(9三振)でした。

《ウエスタン公式戦》3月22日

オリックス-阪神 2回戦 (神戸第二)

阪神 001 000 000 = 1

オリ 102 000 01X = 4

◆バッテリー

【阪神】●秋山(1敗)-金田-筒井 / 梅野

【オリ】○東明(1勝)(5回)-甲藤(1回)-古川(1回)-榊原(1回)-桑原(1S)(1回) / 伏見

◆三塁打 庄司(8回)

◆二塁打 吉田雄(2回)、北條(3回)、高橋(3回)

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]中:柴田  (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .143

2]遊:北條  (4-1-1 / 2-0 / 0 / 1) .143

3]指:狩野  (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .143

4]左:一二三 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .143

〃打:日高  (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

〃走:伊藤隼 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

5]一:森田  (2-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .167

〃打:原口  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

〃三:陽川  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

6]捕:梅野  (3-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .333

7]右:中谷  (4-0-0 / 0-0 / 1 / 0) .000

8]三一:黒瀬 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .000

9]二:荒木  (2-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .400

◆投手 (安-振-球/失-自) 防御率 最速キロ

秋山 6回 101球 (6-6-2 / 3-3 / 4.50) 141

金田 1回   8球 (1-0-0 / 0-0 / 0.00) 142

筒井 1回 20球 (2-2-0 / 1-1 / 9.00) 142

秋山は1回、先頭の武田に右前打、堤の三振で盗塁を決められ1死二塁。続く伊藤に中前タイムリーを許します。2回は2死から9番のルーキー吉田雄に三塁線ギリギリの二塁打を打たれましたが無失点。

一方、オリックスのルーキー東明に対し、2回まで無安打。サードのエラー(これまたルーキーの奥浪がトンネル)で狩野が出ただけです。しかし3回、荒木の中前打などで2死一塁の場面で北條がうまく左翼線に落とすタイムリー二塁打!追いつきました。

ところが直後の3回裏、先頭の堤がセカンド内野安打(秋山のグラブ先をかすめて方向が変わったものの、荒木は追いついて一塁へ送球。微妙なタイミングでしたがセーフのコール)、伊藤は右前打で無死一、二塁となり4番・高橋にレフトフェンス直撃のタイムリー二塁打を浴びます。さらに竹原は四球で無死満塁、宮崎の右犠飛でもう1点。次の奥浪は一ゴロで、三本間に挟んで2死、ただし走者を2人とも進めてしまいますが、三ツ俣は二ゴロで追加点は阻止。

その後の秋山は一転、4回が内野へのゴロとフライで三者凡退。5回は2つの見逃し三振で三者凡退。6回に先頭を北條の送球エラーで出し、犠打で1死二塁とするも連続三振を奪って無失点。3回までの球数が70球、4回からの3イニングでは31球です。

7回は金田が登板。1死から堤に中前打されますが伊藤は遊ゴロ併殺打、3人で片付けました。わずか8球です。8回の筒井は先頭の小島に左前打され1死後に盗塁(梅野の送球は高く外れる)を許して、続く代打の庄司にセンターへタイムリー三塁打。

さて打線は東明の緩急をつけた、コントロールも良いピッチングに4回は森田、梅野が連続三振を奪われるなど三者凡退。5回は荒木が死球で出ただけ。6回は甲藤に北條と一二三が三振など三者凡退。7回は古川で、梅野の四球のみ。8回は榊原に対して三者凡退。9回にようやく桑原からヒットを放ちます。代打・日高の中前田と梅野の左前打で2死一、二塁。続く中谷が2球目にライトへ大きな当たり…惜しくもポールの右でした。5球目を打ちセカンドへ。これを三ツ俣が捕り、堤にグラブでトスしてアウト!試合終了です。でも両チームのファンから大きな拍手が沸きましたね。

秋山は今季最多の101球

秋山投手は「角を狙いすぎたのと、フォームを意識しすぎたかなと思います。全体的にカットボールが安定しなかったし、球数も多かったけど、何とか3点以内には抑えられた。まあ数を投げられたので、プラスに考えます」と振り返り「登板がずれたけど、体は元気なので問題ないです」と笑顔でした。開幕が近づいていますね。「球数を投げていなかったし、間隔が空いて投げ込みも多くはできなかった。きょうは100球投げられてよかったです」

4回からの3イニングは無安打4奪三振。何か変わった?変えた?「特にないです。尻上がりにという感じですかね。立ち上がりに点を取られたので印象は悪いですけど、タイムリーは打ち取った当たりだったし」。そうですね。飛んだコースに野手がいなかっただけで。他にもアウトかな?という内野安打や、捕れたかも…って打球があったり。そんな印象の多い試合でした。

そして「右のバッターが多かったので、左にカットボールを投げるという調整があまりできなかったのはしんどいですけど、右並びで同じようなピッチングしてしまったかな」と反省の秋山投手です。

続いて久保投手コーチの秋山評。「球が高くて打たれたわけじゃない。勝負の仕方次第で、ずいぶん変わっただろう。バッテリーの勉強だね。半速球の打たれ方が良くない。高橋(3回無死一、二塁から左越え二塁打)とかベテランバッターに対応されすぎ。前の球からのつながりが、そこにあるのかどうか。そのバッターに対して、どう配するかで答えは大きく変わっていくよ。筒井もそうですが、いい球を投げようとするんじゃなくて、どう配球しようかと意識を変えれば大きく変われる。打ち取れる。うちのピッチャーは皆いい球を投げているんだから」

今季ファーム初登板の筒井、金田

筒井投手は「打たれたし、点を取られたし、良くはないですよねえ。巡り合わせというか…。ことしは抑えた試合は1つもないですよ。みんな打たれている。失点している」と。でもそれは、筒井投手が言うように球が悪くて打たれたものばかりじゃなく、それこそ巡り合わせでヒットになったりしたこともありますね?「それもあるかもしれません。どこかで断ち切らないと!」。きっと何かが1つ変われば好転するのでしょう。

久しぶりに投げる姿を生で見るなあと思ったら、あっという間に終わってしまった金田投手。ことし初めてのファーム登板も、相変わらず素晴らしいテンポです。「上にいた時は、ずっとカウントを悪くすることが多かったんですが、きょうはストライク先行で投げられました」。堤選手には、1死から2球で追い込み、ボール1つ挟んで中前打されたのは「決め球のフォークで決め切れずに打たれてしまった」そうです。よって「次はフォークの精度を上げていきたい」と話していました。

次に、6番キャッチャーでフル出場したルーキー梅野選手。「とにかく自分は、打席もそうですが守ることもあまりなかったので、守れたのがよかったです」。秋山投手をリードし、4回以降の3イニングはしっかり抑えました。「ストライクが入っていなかったから、外の球を使って。それがうまくいったかなと思います」

唯一の得点となったタイムリー二塁打の北條選手は「変化球を打てていなかったけど、うまく前でさばけました」とのこと。左翼線へ運ぶ、本当に渋いヒットでしたよ。しかし2日連続のエラーに「守備は最悪です。ヤバイです」と…。この日は一塁への大暴投という、あまり見ない光景。どうしちゃったんでしょうねえ。

三塁打は読み勝ち?オリックス庄司

オリックスの選手にも聞いてみました。最後にそれをご紹介します。試合終了の瞬間のグラブトスが素晴らしかったと伝えたら「ありがとうございますっ!」と三ツ俣選手。受けた堤選手もニコニコです。その堤選手に、金田投手がフォークで決めきれなかったことを言うと「決め球だったんですね?いや、たまたまですよ。たまたま見送ったらボールになってくれただけで」と恐縮していました。

それから8回に代打でタイムリー三塁打を放った庄司選手。筒井投手が真っすぐ2球、変化球2球を投げカウント2-2となり、次の真っすぐを打っています。狙っていた?「それがね、梅野くんがショートとサードに指示を出して左へ寄せたんですよ。だから、インコースの真っすぐが来るなと。ただ2ストライクだったから、わざと動かしたかもしれないと思って、意識は右方向でインコースを待っていました」。なるほど、キャッチャーならではの読みですかね。

23日も神戸サブ球場でオリックス戦が行われ、先発はルーキー岩崎投手のようです。残念ながら取材には行けませんが、もし情報を入手できればお伝えします。そして1軍もオープン戦最後の試合ですね。どちらも勝って締めくくってもらいましょう。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

岡本育子の最近の記事