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タイガース、岩貞&岩崎のルーキーコンビが初のフリー打撃登板

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

10日の高知県安芸市は朝から小雨模様で、午後になるほど本格手的な降りとなりました。前日より6度くらい気温が低いうえに太陽は一度も顔を出さず、体の芯から冷え冷え。予想外の寒さでしたね。午後の練習は雨の中ではあったものの、大きなメニュー変更はなかったようです。

ルーキーの“岩岩”コンビが初の打撃投手

この日はルーキーの岩貞投手と岩崎投手が、揃ってフリーバッティングに登板。その2人の前に西村投手が投げ、安打性の当たりは荒木選手に許した3本(うち1本が柵越え)と、日高選手の6本、合計47球でした。

続いて岩貞投手が登板。関本選手に対して23球目まで安打性のものはなく、24球目でセンター方向へ1本。次がレフトへの大きな当たり。私の見ている場所からだと、切れたかな?と微妙な角度だったんですが、どうやら入っていたようです。29球を投じ、安打性は2本。変わって打席に入った陽川選手に対しては25球を投げて、安打性の当たりはなし。合計53球で交代です。

岩崎投手はまず横田選手に投げました。その前に隣でストレートマシンを打っていた時はポンポンと飛ばしていた横田選手なのに、まったく手が出ません。おそらくストライクを見逃したものも何球かあったはず。振れば空振り、当たってもファウル、前へ飛んでショートゴロという状況。後半になってタイミングが取れ出して、23球目に左中間二塁打!最後の3球でライト、レフトへ連続してヒットらしき打球があり、最後はファウルで終了。31球のうち安打性が3本という結果でした。

次の一二三選手は外野フライを連発。そんな中でもレフト前に飛ぶいい当たりが4本と、左中間二塁打が1本。そして「ラスト」の声にフルスイングした打球は見事にレフトのネットを揺らすホームラン!いい締めですねえ。押さえどころを心得ていますねえ。岩崎投手は計69球で、安打性が6~9本(人によって見えるポイントが違うので…)です。

岩貞は関本相手にインコース

平田監督は「岩貞は腕の振りもよかったし、右のインコースにカット気味に食い込んでくるボールは自信持っているんじゃない?岩崎はまとまっているし、球が遅れてくるイメージがある。左バッターは打ちにくいだろう。2人とも言い感じだった」と印象を語りました。

岩貞投手は「4か月ぶりに試合で投げて、楽しかったです。関本さんがケージに入る時、最初が関本さんか!と思ったけど、思いきり飛び込んでいった方が自分のためになると考えました。最初に実績のある人投げられてよかったです。自分が一番使うインコースを試すため、構えてもらった。どれだけフルスイングされるのか。自分の中で感じるものはありました」と言っています。

ボールがよく動いていたと関本選手が話していて、それについては「食い込んでいったり外に逃げたりというのはあります。それがいいのか悪いのかは、これから」とのこと。第3クールから沖縄か?と報道されているものの「行かない気がするんですけど…。何も言われていないので、どっちかなと思いながらやっています。でも特にやることは変わらない。もし沖縄へ行っても、プロに入ってきた時と同じ。トライする姿勢は変えずにやりたい」そうです。

横田を幻惑した岩崎の投球

岩崎投手は「きょうはフォームを意識していたけど、そんなに悪くはなかった。力は7割くらい。最初の何球かは緊張しましたが、あとは自分のことを考えて投げることができた。打者と相談したのもありますが、自分の中では真っすぐだけと決めていました」と振り返ります。横田選手が戸惑っていたような。「慣れてきたら打っていたので、最初だけじゃないですか。(横田も一二三も)インパクトが強く、芯で捉えたら飛んでいくので驚きました」

収穫は「打者に対して投げられたこと」で、そのあと「体重移動が、投げにくいということはなかった。続けていきたい。それとは別に力が伝わっていないところがあった。そこは修正できるようにしたい」と、手応えと課題を挙げています。次は実戦ですね?「いろんな球種も試して、打者の反応を見ていきたい」。楽しみにしています。

初めて投手の球を打った横田選手の感想は非常に初々しいものでした。「打席に入る前は打てるかなと思ったけど、見た目以上のスピードがあって下から浮き上がってくるような感じ。キレがすごかった!球の出るところは見にくかった。独特ですねえ。見逃したストライクも…あります」。まだ続きます。「外の球が本当に遠く感じて手が出なかった。スライダーみたいな真っすぐ。外ににげていく感じがして。ちょっとずつ合わせられるようになりましたが、厳しかったです。1つ1つ勉強して打てるようにしたい慣れたい」と言葉を重ねました。

また前日から屋外での打撃練習を開始した陽川投手は「初めて外で打って打球を見たかった。今は全然、自分のバッティングができていないけど、これから修正していきたい」と話しています。岩貞投手とは大学時代に対戦があり「カーブかスライダーかわからないけど、落ちるキレがすごくて打ちづらかった」とか。雨の中で1人、延々と特守を行っていたサードの守備については、シートノックで同じグルーブにいる関本選手から「ポジショニングをとてもわかりやすく、優しく教えてもらいました」と感激の面持ち。初実戦に向けては「多少緊張すると思いますが堂々としたプレーをしたい。まずは声を出すことから」と抱負を述べています。

先発は藤原、4番は一二三

さて11日は今季初実戦、初の対外試合となる西武戦。「うちは“ランディ”藤原がいくからね。4番は一二三や!最後の柵越え、すごかったなあ。あれで決めたよ。いや、決まってたけど(笑い)。掛布さんとも言ってたんだよ。あいつは4番でいくかと聞いたら、間違いなく『いきますっ!』というタイプやから。陽川はスタメン、先発じゃないけど横田も出すよ」と平田監督。続けて「楽しみだね。やっぱりシートバッティングとは、ユニホームも変わって緊張感が違う。練習試合といったってゲームだからね」と監督自身も待ち遠しかったという感じでしたね。

一二三選手は「今、掛布さんとやっていることがいきました」と岩崎投手から打った柵越えの1発を振り返ります。「カーンって、しかもラストやったんで思いきりいったろ!と思って。自分でもビックリしました」。力は入れずに打てた?「いえ、力みました(笑い)」。岩崎投手が飛距離に驚いていた。「最初はタイミング取りづらかった。足はピュッて上がるのに、そこからがゆっくりになるフォームで。最後の方はそれがわかったから打てた」。そして自ら、こう締めてくれました。「あした4番っすよ~。やったりますわ!

なお本来ならスタメンマスクをかぶる予定だったと思われる小豆畑選手は、9日のベースランニング中に右太もも裏に張りが出て別メニューとなりました。その日に香南市内の病院で診察を受け、右ハムストリングスの軽い筋挫傷と診断されています。山下トレーナーによれば「次のクールは動ければ、やれることからやっていく」とのことです。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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