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情報漏洩を行った企業に対して、64%の消費者は取引意欲が低下する

大元隆志CISOアドバイザー

amazon S3の設定ミスによる情報漏洩に関する事例は非常に大きな反響があった。では、実際にこういった企業によって、自分の情報が漏洩してしまった消費者達は、どのような行動を取るのだろうか?

Gemalto社によるデータ漏洩の犠牲者企業に対して、消費者がどう認識しているかを調査したレポートによると64%が、その企業との取引に対して不安を抱き、代替とのるサービス利用を検討すると言う。

情報漏洩が発生した企業の多くは、本来犠牲者であるが、消費者にとっては情報漏洩をした加害者に映ってしまうということだ。

Gemaltoの調査データは、他にも消費者に関する興味深い内容がいくつか含まれているため、一部紹介する。

消費者の75%は、企業がデータの保護とセキュリティに対して万全な対策を取っているとは考えていない。

消費者の31%がデータ侵害の被害を経験していた。

消費者の69%が、企業が顧客データの保護に最も責任を負っていると考えている。

消費者の64%が、財務データや機密データが盗まれた企業と取引する可能性は低いと答えている。

消費者の54%は、自分のオンラインアカウントで同じパスワードを使用する傾向があることを認めている。

出典:Customer Loyalty, Trust and Data Breaches

情報漏洩対策は企業にとって収益を産む施策ではないが、一度発生してしまった場合の顧客ロイヤリティ低下はやブランドイメージ低下は避けられない。情報漏洩に対して適切な体制を構築していない企業は、今一度整備することを推奨する。

CISOアドバイザー

通信事業者用スパムメール対策、VoIP脆弱性診断等の経験を経て、現在は企業セキュリティの現状課題分析から対策ソリューションの検討、セキュリティトレーニング等企業経営におけるセキュリティ業務を幅広く支援。 ITやセキュリティの知識が無い人にセキュリティのリスクを解りやすく伝えます。 受賞歴:アカマイ社 ゼロトラストセキュリティアワード、マカフィー社 CASBパートナーオブ・ザ・イヤー等。所有資格:CISM、CISA、CDPSE、AWS SA Pro、CCSK、個人情報保護監査人、シニアモバイルシステムコンサルタント。書籍:『ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦』など著書多数。

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