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足立佳奈が10代の心を鷲掴みにする理由

中西正男芸能記者
10代の若者から絶大な支持を得るシンガーソングライターの足立佳奈

 オーディションで12万組以上の中から選ばれ、10代の若者に絶大な支持を得ているシンガーソングライターの足立佳奈さん(19)。SNSを中心に社会現象とまで言われるブレークぶりを見せ“高校生の認知度100%”と言われるまでになりました。21日には6枚目のシングル「ひとりよがり」もリリースしますが、歌のみならず、昨年はTBS系ドラマ「チア☆ダン」にも出演。多方面で存在感を見せる足立さんですが、曲作りの原点は小学生の頃の告白だと言います。

リアルな感情を曲に

 私の曲は、基本的に実体験をもとに書いているんです。リアルに思ったことや感じたことをストレートに曲にする。

 「リアルな実体験を歌詞にするのは恥ずかしくない?」と聞かれることもあるんですけど、私はそれは本当になくて。自分が本当に感じたことを書いて、聴いてくださった方が「あ、自分だけじゃなく、こんな風に思っている人もいるんだ」と共感してくださる。それが何よりうれしいですし。

 例えば、勉強していて「あー、もう、勉強はイヤだなぁ」となったら、そんな自分の気持ちをストレートに書いて、そして、自分に向けてのエールも込めて歌を作る。おこがましい話ですけど、それが聴いてくださる方々の応援歌にまでなったらありがたいばかりです。

原点は小学4年

 実際、今の原点というか、小学生の時から好きになった男の子に自分のリアルな気持ちを伝えるために、オリジナルのラブソングを作ったりしてましたしね(笑)。

 小学4年の頃に合唱団に入ったのをきっかけに、アンジェラ・アキさんの「手紙」という曲と出合いまして。

 「歌でこんなに気持ちを動かされるアーティストの方がいらっしゃるんだ…」と衝撃を受けて、アンジェラさんのマネをするようになったんです。ピアノは少しやっていたので、弾き語りの練習をしたり。

 そうするうちに歌がどんどん好きになっていって、そのうち、自分が思っていることを曲にして自分で歌うということをやるようになっていったんです。すると、意外と、小学生なりに満足のいくものができて。となると、作ったものを人に聴いてもらいたいという欲が出てきまして。さらに、好きな男の子にラブソングを作って告白するということにも発展していったんです(笑)。

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20歳になっての挑戦

 これまでは、そうやって、自分の中にある経験や思いを曲にしていたんですが、今年で20歳になることもあって、また違うチャレンジもしてみようと。自分だけじゃなく他の人の目線に立ってラブソングを書く。それを今回リリースする新曲「ひとりよがり」で、やってみたんです。

 今回で6枚目のシングルになるんですけど、初めて男性目線で歌詞を書きました。ただ、自分の中にはどうしても男性の感覚は乏しいので、地元の岐阜にいる同級生に「彼女のことをどう思っているの?」と尋ねたり、身近な男性に話を聞いて、リサーチというか、材料を集めました。

 私が話を聞いた友だちや周りの人は、女性に尻に敷かれている人が多かったので(笑)、どうしても、そっちよりの歌詞というか「男の人は切ないな…」という感じの仕上がりになっていると思います。

初のオーディションでグランプリ

 そもそも、私が歌の世界に入るきっかけになったのは、2014年、中学3年生の時にあった「LINE×SONY MUSICオーディション」でした。

 オーディションを受けたのは初めてだったんですけど、小学生の頃から歌が好きな私に現実を見せるというか、歌で食べていくのは本当に難しいことだし、それを身をもって分からせるために母が応募したんです。厳しさを見せて、歌を諦めさせると言いますか。

 ただ、そこでグランプリをいただくことになりまして(笑)。グランプリになった人はデビューまでの道のりをサポートするという副賞もあり、様々な準備を経て、2年半後の2017年にデビューしたんです。

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 ただ、小学校の時は歌も好きでしたけど、本当に好きなのは野球で、将来はプロ野球選手になりたいと本気で思っていました。少年野球のチームに入って、男の子と一緒に野球に打ち込んでいました。

 野球がメインで、どちらかというと、合唱団は一つの習い事に過ぎない。中学でもソフトボール部に入って、バリバリとやっていたんですけど、まさか音楽の方にこうやって進んで、デビューするとは思ってませんでした。

実現したい夢

 今年で20歳になりますけど、やっぱり大きな節目の歳でもあるし、責任感を持たないといけないなと感じています。体調管理一つとっても、例えば、声優さんは一年中マスクをしてらっしゃるとも聞きますし、寝る時に首も冷やさない。

 若いから、ま、何かあっても許される。そんなことはプロの世界ではないことだし、年齢を重ねていくと、さらに大きな責任も伴ってくる。そんなことをしっかりと考えて行かないといけないと感じています。

 次の年齢の節目というと、30歳になってきますけど、それまでに夢がありまして。高校野球のテーマソングを歌いたいなと。

 本当は高校生のうちに球児の皆さんと同じ目線でテーマソングが歌えたらと思っていたんですけど、それはかなわなかったので、これは何とかして実現したい夢なんです。

 去年5月、甲子園球場で始球式はやらせてもらったんですけどね。なんとも言えない感動もありましたし。あの空間と自分の歌が重なったら、本当にうれしいだろうなと。

 野球となると、本気モードになるというか、始球式の前はだいぶシャドーピッチングもやりました。今でも、体を動かすのは好きですし、やっぱり何か運動をしようとなったら、ついついバッティングセンターに行ってますね(笑)。

(撮影・中西正男)

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■足立佳奈(あだち・かな)

1999年10月14日生まれ。岐阜県出身。ソニー・ミュージックアーティスツ所属。2014年、中学3年の時に「LINE×SONY MUSICオーディション」で応募総数125094組の中からグランプリを獲得する。17年からフジテレビ系「新しい波24」のMCや、NHKのドラマ「1942年のプレイボール」で女優デビューを果たすなど本格的に芸能活動を開始。SME Recordsからメジャーデビューシングル「笑顔の作り方~キムチ~/ココロハレテ」をリリースする。昨年にはTBS系ドラマ「チア☆ダン」に出演し、注目を集めた。8月21日には新曲「ひとりよがり」が発売される。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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