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古橋亨梧は危険とラツィオに警告も 監督はセルティックがCLの「ダークホース」候補と警戒

中村大晃カルチョ・ライター
9月16日、スコティッシュ・プレミアシップのダンディー戦での古橋亨梧(写真:REX/アフロ)

10月4日のチャンピオンズリーグ・グループステージ第2節では、グループEでセルティックとラツィオが対戦する。古橋亨梧、前田大然、旗手怜央らを擁するスコットランド王者が、鎌田大地が所属するラツィオを迎え撃つ。

セルティックは昨季のグループステージを白星なしで終えた。今季も上田綺世が在籍するフェイエノールトとの開幕戦で0-2と敗れている。第4ポットからの出場ということもあり、下馬評は決して高くない。

だが、ラツィオは今季、厳しい船出となっている。セリエAで開幕7戦勝ち点7の16位と低迷。マウリツィオ・サッリ監督とクラウディオ・ロティート会長の関係も騒がれるなど、不穏な空気が漂っている。

■鎌田大地とラツィオの現状

アトレティコ・マドリーとのCL開幕戦、ラツィオは守護神イヴァン・プロヴェデルのゴールで1ポイントを手にしている。だが、この土壇場の劇的同点弾までは厳しい内容だった。

国内では先週、トリノを2-0と下し、本拠地オリンピコで今季初勝利をマーク。安どのため息をついたものの、週末のミラン戦で0-2と今季4敗目を喫し、再び重圧にさらされている。

攻撃陣は7試合で7得点と不振にあり、複数得点はエースで主将のチーロ・インモービレと、中盤でタクトを振るう“魔術師”ルイス・アルベルトのみ。それも、いずれも2得点だ。あとは鎌田とマッティア・ザッカーニ、マティアス・ベシーノが1得点ずつマークしただけにとどまっている。

中盤は不動の司令塔L・アルベルトを除き、鎌田、マテオ・ゲンドゥジ、ベシーノ、ニコロ・ロヴェッラ、ダニーロ・カタルディが入れ替わり先発出場。中盤3枚の組み合わせが公式戦ここ5試合で毎回変わっており、安定していない。

低調のチーム同様、鎌田も苦しい状況だ。ここ3試合連続でベンチスタートになり、2試合は出場機会なし。ミラン戦は1点ビハインドの後半67分から途中出場したが、流れを変えるには至らなかった。初得点で勝利に導いたナポリ戦を除き、大きなインパクトを残せていない。

■セルティックは「この上なく危険なチーム」

サッリは3日の前日会見で、セルティックを「この上なく危険なチーム」と評した。ダイナミズム、インテンシティー、スピードを備えており、技術的な力にも驚かされたと話している。

セルティックが後半に2人の退場者を出して敗れたフェイエノールト戦についても、サッリは前半アディショナルタイムに先制を許したのは内容に見合っていなかったとの見解を示した。

さらに、プレミアリーグ時代に対戦したことのあるセルティックのブレンダン・ロジャース監督には「とても大好き。非常に優れた監督」と賛辞。当時ロジャースが率いたレスターよりも、現在のセルティックにはスピードとクオリティーがあると警戒している。

そして最後に、サッリはセルティックが「ダークホース」になり得ると話した。

イタリア大手紙『La Gazztta dello Sport』は試合前日、リビングストンのコーチを務めるイタリア人のエウジェニオ・セーナに取材。スコットランドで対戦しているセルティックについて、セーナは最も危険な選手として古橋の名をあげた。また、前田のスプリントも要注意と話している。

セルティックは待望の初勝利、そして古橋がCL初ゴールをあげられるのか。一方のラツィオは、鎌田が出場機会を、そしてチームは調子を取り戻すことができるだろうか。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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