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モウリーニョに捧げるジェラートや壁画も登場…「めっちゃ特別」なカリスマ到来でローマ熱狂

中村大晃カルチョ・ライター
4月19日、トッテナム監督解任後、ロンドンの自宅前でのモウリーニョ(写真:ロイター/アフロ)

カリスマ指揮官の到来に、ローマは熱狂している。

5月4日にクラブが来季からの就任を発表してから、サポーターは早くもジョゼ・モウリーニョに夢中だ。人々の情熱が高まれば、それを生かそうとする動きにつながる。

ローマ近郊トッレ・アンジェラ地区のジェラテリア「Gelati-amo」が、モウリーニョに捧げるジェラートを発表した。新監督もインスタグラムで反応している。

店の投稿によると、フレーバーは2種類。ひとつは「ゼロ・ズッケリ」。インテル時代にモウリーニョが口にし、人気を博した言葉「ゼロ・ティトゥリ(タイトル)」をもじったものだ。砂糖抜き、ヒマラヤ岩塩入りのダークチョコレートのジェラートという。

もうひとつのフレーバーは、ホワイトチョコに柑橘系ソースをかけた「スペシャルワン」。言わずとしれた、モウリーニョの愛称だ。

この投稿にリアクションしたのが、モウリーニョ本人。「マンゴー(黄)とイチゴ(赤)がいいな。できる?」と、絵文字入りでリクエストしたのだ。もちろん、黄と赤はローマのクラブカラーである。

モウリーニョはすでにスマホケースもローマカラーに変えた。えんじのケースに黄色で「JM」とイニシャルが入っている。ロマニスタを歓喜させたのは言うまでもない。

ローマでは先日、テスタッチョ地区にモウリーニョの壁画も登場した。ストリートアーティストのハリー・グレブが描いたのは、ローマのマフラーを首に巻き、スクーターに乗るモウリーニョ。スクーターは映画「ローマの休日」に登場したベスパだ。

なお、壁画ではベスパ・スペシャル50の愛称「Specialino」をもじり、「Specialone」と書かれている。訳すなら、「ちょっと特別」を「めっちゃ特別」にしたというところか。そしてもちろん、「Special One(スペシャルワン)」ともかかっている。モウリーニョは作者の投稿に「いいね」をした。

ローマの人々の興奮が日に日に増している様子がうかがえるが、モウリーニョの冒険はまだ始まってもいない。情熱的なローマの地で采配を振るう難しさは、数々の名将が苦しんできた過去が物語っている。大きな期待を寄せられているカリスマ指揮官は、ファビオ・カペッロ時代の2001年以来となる4回目のスクデットをローマにもたらせるだろうか。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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