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ユーヴェ監督はサッリが適任? サプライズでピルロ?…識者30名にアンケート、CL争い予想も

中村大晃カルチョ・ライター
2017年12月1日、セリエAナポリ対ユヴェントスでのアッレグリとサッリ(写真:ロイター/アフロ)

長かったシーズンも、終わりが見えてきた。最終節を前に、セリエAで特に話題となっているのが、チャンピオンズリーグ(CL)出場権争いと、マッシミリアーノ・アッレグリ監督の退任が決まったユヴェントスの新監督人事だ。

5月22日付の『コッリエレ・デッロ・スポルト』紙では、識者30名がCL出場権を獲得する2チームやユヴェントス(とローマ)の次期監督を予想している。

アンケートに参加したのは、選手や監督、幹部としてカルチョ界で名を残した以下の人物たちだ。

デメトリオ・アルベルティーニ

ニコラ・アモルーゾ

エンリコ・アンノーニ

ステーファノ・アントネッリ

アルベルト・アクイラーニ

ジュゼッペ・ベルゴミ

ロベルト・ブレーダ

アントニオ・カブリーニ

マウロ・カモラネージ

ヴァンサン・カンデラ

ピエルルイジ・カジラギ

ベルナルド・コッラーディ

パオロ・ディ・カーニオ

ジュゼッペ・ドッセーナ

ステーファノ・エラーニオ

リッカルド・フェッリ

ステーファノ・フィオーレ

サルヴァトーレ・フレージ

ウンベルト・ガンディーニ

マウリツィオ・ガンツ

ジュリアーノ・ジャンニケッダ

マルク・ユリアーノ

ルカ・マルケジャーニ

マルチェッロ・リッピ

ダリオ・マルコリン

シモーネ・ペペ

マルコ・タルデッリ

マウロ・タッソッティ

ピエトロ・ヴィエルコウッド

ジャンルカ・ザンブロッタ

◆CL出場は青黒の2チームか

CL出場権レースは、優勝したユヴェントスと2位ナポリがすでに“勝ち抜け”。3位アタランタ(勝ち点66)、4位インテル(同66)、5位ミラン(同65)、6位ローマ(同63)の4チームが残る2枠を争っている

ただ、ローマは絶対条件となる最終節での勝利に加え、他クラブの敗北を願わなければならないケースが多く、現実的には厳しいとの見方が大半だ。実際、ローマのCL出場権獲得を予想した識者はゼロだった。

有利なのは、勝てば無条件で切符を勝ち取れるアタランタとインテルだ。30名のうち19名と、63%が両チームのCL出場を予想した。次点は6名が選んだ「ミラノ勢」。「アタランタとミラン」が4名で、アルベルティーニは「ミランとアタランタかインテル」と答えている。

2019年5月22日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成
2019年5月22日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成

なお、26日の最終節では、アタランタがホームでサッスオーロと対戦(ただしスタジアム改修のため、開催は敵地マペイ・スタジアム)。インテルが残留を争っているエンポリをホームに迎え、ミランはアウェーでスパルと戦う。

◆ユーヴェ次期監督はサッリが適任?

8連覇を置き土産にアッレグリが去るユーヴェの監督人事は、チェルシーで微妙な立場にあるマウリツィオ・サッリが“ポールポジション”とも言われている。そのほかの候補は、ラツィオでコッパ・イタリアを制したシモーネ・インザーギや、アッレグリが就任する前にクラブが関心を寄せたシニシャ・ミハイロビッチ(現ボローニャ)だ。

ただ、悲願の欧州制覇を成し遂げられなかったことへの批判が大きく、アッレグリに別れを告げることを選んだとあり、ビッグネーム招へいの噂も後を絶たない。その筆頭が、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラだ。

また、トッテナム退団をほのめかしたマウリシオ・ポッチェッティーノや、OB組のディディエ・デシャン(フランス代表)やジネディーヌ・ジダン(レアル・マドリー)、マンチェスター・ユナイテッドを去ってフリーとなっているジョゼ・モウリーニョも候補リストに名を連ねている。

一番人気だったのは、昨季までナポリでユーヴェとしのぎを削っていたサッリだ。7票を獲得した。ユーヴェが監督交代に踏み切ったのは、路線変更のためとも言われ、スタイルがまったく異なるサッリを推す声は少なくない。

次点は6票のインザーギ。5名が「回答せず」とし、グアルディオラとポッチェッティーノが4票ずつ、ジダンが2票、デシャンが1票を獲得した。意外な名前を挙げたのは、アルベルティーニ。「アンドレア・ピルロ」と答えている。

2019年5月22日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成
2019年5月22日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成

◆ローマ監督候補はガスペリーニが人気

シーズン途中に就任したクラウディオ・ラニエリ監督の退任が確実なローマは、アタランタで3年にわたって国内外を魅了したジャン・ピエロ・ガスペリーニを本命視していると言われる。一方で、サッリやアッレグリ、サンプドリアのマルコ・ジャンパオロも候補だ。最近では、マルセロ・ビエルサへの関心も伝えられた。

識者たちの中で圧倒的な人気だったのが、14票を獲得したガスペリーニだ。「回答せず」とジャンパオロが5名ずつで続き、アッレグリが2名、ビエルサ、サッリ、ディ・カーニオ、「イタリア人」が1名ずつだった。なお、ディ・カーニオに投票したのは本人ではなく、コッラーディだ。

2019年5月22日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成
2019年5月22日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成

ちなみに、『コッリエレ・デッロ・スポルト』紙は、今季のCLとヨーロッパリーグ(EL)決勝の予想も尋ねている。CLはリヴァプールが26票でトッテナム(4票)を圧倒。ELはチェルシーが24票でアーセナル(6票)に大差をつけた。

識者たちの予想は当たるのか。来週末の最終節、その後の欧州カップ戦ファイナルに注目だ。EL決勝の結果が、サッリのユヴェントス行きを左右するとの見方もあるが…?

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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