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セリエA、優勝争いは「現王者」と「冬の王者」の一騎打ちに絞られた?

中村大晃カルチョ・ライター
2017年12月1日、ナポリ対ユヴェントスでのサッリ監督とアッレグリ監督(写真:ロイター/アフロ)

欧州主要リーグの多くで首位チームが独走モードに入りつつある中、セリエAは20節を終えて首位ナポリを勝ち点1差で2位ユヴェントスが追っている。

ただ、インテルやローマが一時期の勢いを失ったことで、2強が抜け出しつつあるのも事実だ。3位インテルはナポリと勝ち点9差。4位ラツィオと5位ローマは、それぞれ消化が1試合ずつ少ないが、それでも首位と勝ち点10差、11差とやや離されている。

21日付イタリア『コッリエレ・デッロ・スポルト』のアンケートによると、現地の人たちもナポリとユーヴェの2強がこのままタイトルレースをけん引し、両者の一騎打ちになると予想されているようだ。

2018年1月21日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成
2018年1月21日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成
2018年1月21日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成
2018年1月21日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成

上位5チームがどこまで優勝争いを続けられるかを問うアンケートで、ナポリとユヴェントスが「かなりの確率で最後までスクデット争いに残る」と答えたのは80%以上を示した。対して、インテルとローマはそれぞれ26%と22%にとどまっている。昨年12月時点で58%だったインテルは大幅ダウンだ。

2018年1月21日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成
2018年1月21日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成
2018年1月21日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成
2018年1月21日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成

ただ、「まだもう少しスクデット争いに残る」と回答したのは、インテルで48%、ローマで53%、ラツィオで61%。チャンピオンズリーグ出場権を争う上位勢が、まだしばらくは優勝争いにも踏みとどまるとみる向きが約半数を占めた。

2018年1月21日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成
2018年1月21日付コッリエレ・デッロ・スポルト紙参照、筆者作成

一方、「すでにスクデット争いからは脱落している」との回答は、2強が1%ずつだったの対し、インテルは18%、ローマは16%、ラツィオは19%となっている。

開幕前の下馬評からも妥当な結果と言えるが、首位ナポリよりユヴェントスのほうが「最後までスクデット争いに残る」と答えた人が多いのは気になるところだ。

前半戦を終えて首位のチーム「冬の王者」は、高い確率でシーズンが終わっても順位表の頂点に立ってきた。『スカイ・スポーツ』によると、過去14年で「冬の王者」が優勝できなかったのは、わずか1回しかない。ただ、その1回を記録したのが、まさしくナポリだ。

今季の「冬の王者」は、2年前のリベンジを果たし、ユヴェントスの王朝を終わらせることができるのか。それとも、7連覇という偉業を目指す王者が意地を見せるのか。そしてインテルやローマ勢は巻き返すことができるのか。後半戦も注目のセリエAは、まもなく再開する。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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