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「妥協した?」という失礼な質問にリアルガチで答えてくれた7人の成婚者たち(本当は誰に失礼なのか)

村上れ以子成婚率東日本トップの仲人士(結婚相談所運営) 元新聞記者
相手に妥協したか話す金井優子さん(左)と荒井智子さん(ともに仮名、撮影:筆者)

「妥協はされましたか?」

日本仲人協会(本社・大阪府、中西圭司理事長)が開催した、同協会内で成婚した人と成婚を目指す会員との座談会「婚活成功者から、幸せな結婚を勝ち取るための秘訣を学ぶ!~あなたの結婚を応援します!1day座談会in東京」で、参加した婚活中の女性からこんな質問が出ました。

この場合の妥協とは、「条件その他もろもろで完全に満足のいく相手ではないけれど、手を打って決めた」というニュアンスです。

結婚相手選びに妥協することが必要かどうかを気にする独身者は多いのでしょう。

では実際に結婚相談所で結婚相手と出会った人たちは、妥協したのでしょうか?

座談会に参加した成婚者7人が、「結婚相手選びで妥協したか」のリアルな気持ちを聞かせてくれました。

まずは3人、ご紹介します。

■理想の相手ではないけれど、妥協でもないケース

◎「妥協ではない、受け入れられるのだから」

都内在住の金井優子さん(仮名)は8人とお見合いして最後のひとりと成婚しました。

ともに60代で結婚歴があり、お子さんもいらっしゃる同士。「お見合いでは年金の話で盛り上がった」そうです。

妥協について聞かれると

「妥協という言葉がすごく難しいんですけれど、条件面では問題がないけど見た目が理想とは違う。でもそれが妥協かというと違うと思うんです。受け入れられるなら妥協ではない。実際に(私の成婚に)妥協はないと思います」

と金井さん。

「彼は一緒にいると楽しい、一緒にいたいと言ってくれる」と幸せそうな金井さんを見ると、たとえ外見が理想通りでなかったとしても、妥協だったと思う余地はなさそうです。

■人(相手)ではなく環境に妥協したケース

◎「環境激変したけれど後悔はしていない」

千葉県在住の荒井智子さん(仮名)は美容系の仕事をしている49歳。4歳年上の男性と成婚しました。

お見合いした翌日から毎日の電話と、朝のメールを欠かさず毎日続けているそうです。

交際中に体調を崩したときも、「好きで病気になる人はいないから」と完治を待ってくれた優しい彼。

妥協について聞かれると、

「結婚して暮らしているところが彼の実家の近くなので私の職場から2時間かかることになってしまって。環境が激変しましたけど、それでも自分で決めたことなので後悔はしていないと思います」

と荒井さんは話してくれました。

◎「性格とか容姿とかに妥協はない。住む場所が妥協といえば妥協かな」

婚活して成婚する人、失敗する人。違いが日本仲人協会の座談会でわかった!~ビビビ婚、40代男性の場合

でご紹介した44歳の会社員、高橋直樹さん(仮名)も環境に関しては妥協したひとりです。

「(彼女の)性格とか容姿とかに妥協はないです。ただ彼女の職場の関係で、結婚して住む場所が私の職場から遠くなるんです。それが妥協といえば妥協かな。電車が混むし・・・」

荒井さんも高橋さんも、「人(相手)」に関しての妥協したのではありません。「環境(通勤環境)」で妥協したとのことでした。

■「妥協した?」という質問は、誰に対して失礼なのか

筆者はタイトルで「失礼な質問」と書きましたが、“成婚者に対して”失礼な質問と思ったわけではありません。

実際に、結婚相手と出会った成婚者の皆さんは、多少は理想と違う面があったとしても、それを妥協とは感じていないからです。

では、誰に対して失礼なのかというと、「妥協しないと結婚できない」と考えている“自分(結婚希望者)自身に対して”失礼だと筆者は思うのです。

結婚相談所での婚活では、出会う前にお見合い相手のある程度の情報(年齢や学歴、容姿や男性の収入)がわかります。

それを重視して相手選びをすると、より条件がいい人を選びがちで、自分が選んだ条件から外れる人とのご縁だった場合は「妥協」と考えがちなのかもしれません。

そして多くの婚活中の男女は、「妥協しなきゃ」「妥協した」と自分自身が思った瞬間、落ち込んだり悲しくなったりするのです。

なぜなら「自分は妥協しなきゃ」「自分は妥協した」というと、妥協した方は相手より上に立っているように感じられますが、実は自分の価値を“下げて”いるのですから。

絶対に誤解しないでほしいのですが、完璧な条件の人を探しましょうと言っているのではありません。

条件にこだわってお相手選びをして、うまくいかないと「妥協しなきゃ」「妥協した」と自分の価値を下げていることに気づかずに落ち込み、婚活を停滞させたり諦めたりするのは残念だし、自分(あなた)自身に対して失礼だ、と言いたいのです。

■出会いがお見合いでも好きになって結婚する、そこに「妥協」はない

座談会を開催した日本仲人協会の中西圭司理事長(撮影:日本仲人協会)
座談会を開催した日本仲人協会の中西圭司理事長(撮影:日本仲人協会)

「成婚できた人に共通することは、紹介書の内容よりも、まずは会って見ることを優先されたようです。恋愛結婚のようなラブラブな雰囲気が強く伝わってきたのは、ちょっと意外でした」と座談会を開催した日本仲人協会の中西圭司理事長。

そうなのです。

中西理事長の分析通り、まずは会うことが一番大事で、条件は二の次。どんなに条件が良くても、またはさほど条件が良いように見えなくても、会ってみないと実際のところも、その人の人となりも、わからないのですから。

きっかけがお見合いであっても、会ってみてフィーリングが合い、好きになって結婚する。

そこに「妥協」という言葉が入る余地はありません。

結婚相談所での出会いは今や、出会いのツールのひとつ。お見合いで出会っても、素敵なカップルになれるのですよ。

成婚率東日本トップの仲人士(結婚相談所運営) 元新聞記者

キャリア5年で成婚数、成婚率とも東日本1位仲人士に。17年間のスポーツ担当記者時代に取材した国内外トップスポーツ選手・コーチの必勝ノウハウを婚活にいかし、難しいといわれる30代・40代・50代の中高年と親の婚活で、通常の8倍の割合で会員を成婚に導く。慶應義塾大法学部政治学科卒業。既婚、二児の母で、趣味は子どものスポーツ応援。

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