その職員会議で何が話し合われたのか? 小学校児童作品紛失事件
先日、ある小学校で児童が書いたコンテストに応募するための日記を紛失するという事件が起こりました。紛失しただけでなく、それを児童や保護者等に報告しなかったということです。この紛失を隠ぺいするために、応募を装ったことが問題になっていますが、さらに大きな問題は主催団体と職員会議の対応です。
日記コンテストの主催団体はその小学校が参加することは承知しているはずであり、参加人数もあらかじめ把握しているはずです。117人が不参加になれば異様と考えるのが通常です。さらにその不足している人数分も含めて参加賞を求められること自体、異常です。このコンテストの主催団体自体の運用管理体制にも問題があると言わざる得ません。参加していない児童に参加賞を与えていることになるのですから、コンテスト自体が不正といわれても仕方がありません。
さらに職員会議で、この日記の紛失について話し合ったとされています。職員会議ですから小学校すべての教員が参加しているはずです。ここでの議論の結論が報道によると「児童の学習意欲が低下すると判断し、紛失を伝えないという決定」だそうです。事実を隠し、コンテストに応募していないにもかかわらず応募したことにするという不正をはたらくことを棚に上げて、学習意欲云々とはどういうことでしょうか。社会生活を営む上での道徳や倫理観を育てるという目的よりも、単なる方法であるところの「学習」自体が最優先ということなのでしょう。
この報道での職員会議における結論を見たときに約5年ほど前のテレビドラマを思い出しました。それは殺人を次々と犯した小学校教師が最期に言ったセリフ
子供たちが尊敬する先生が殺人を犯したなど、決して知られてはいけないことだ!
というものです。職員会議という多数の先生方がいるなかで一人でも、学習することが目的ではなく、学習すべき内容が肝要であり、社会生活を営む上での倫理観や法順守がその基本であることに気付かなかったのが残念でなりません。
【参考】フジテレビ 東野圭吾ミステリーズ 第9回 2012年9月6日(木)放送 「結婚報告~写真の親友は他人の顔?ハケン女絶体絶命の危機!」