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これで完璧!自撮り棒など必要ない?

森井昌克神戸大学大学院工学研究科 特命教授・名誉教授
自撮り

先日、国産スマートフォン(スマホ)の国内シェアが一段と落ちていることを受けて、下記を投稿致しました。

国産スマホの窮地を救うためにも、今、消費者(ユーザ)が求める機能、さらに進んで消費者を虜にする機能が求められています。その一つが「自撮り」支援機能です。

出典:今、スマホに求められる機能は「自撮り」、だからこそ超広角を?【Yahooニュース!個人(森井昌克)】

この中で、自撮りに対する支援機能の強化をうたって、特に「自撮り棒」に代わる機能の開発を求めました。

自撮り棒の普及はその機能がスマホのカメラに搭載されていないからであり、あのような荷物にもなり、また御世辞にもスマートでない「棒」が流行る理由は、その機能が強く望まれているからなのです。

その解決策として、超広角レンズの使用を勧めたわけですが、すでにそれに近い機能がアタッチメント(スマホに取り付ける付属部品)として販売されていました。

自分撮りをしたいけど、やっぱり自撮り棒を使うのは恥ずかしい。クリップ式の自撮りレンズなら、人前でも堂々と使えますよ?

出典:まだ自撮り棒で消耗しているの? 人前で堂々と使える「自撮りレンズ」の時代がやってきた 【IT media PC User】

以下のように、スマホのレンズにかぶせるクリップ式の小型の望遠レンズ(実際は望遠の逆)みたいなものです【レンズ口径30ミリの「スーパーワイド自撮りレンズ」 IT mediaより】

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確かに、これによって自撮り棒を使っているように写ります。しかし残念なことによく見ると、中心から離れた位置で、ほんの少しですがゆがんでしまいます【自撮りレンズではゆがみが発生する IT mediaより】

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目立たないとは言え、写真がゆがんでしまっては、特に一度しかない(かもしれない)記念撮影ではその利用に躊躇してしまいます。撮影できないのであればともかく、誰か第三者に頼んで撮る事も出来ますし、それこそ自撮り棒もあるのです。やはり自撮り棒にはかなわないのでしょうか。いえ、そうではありません。画像処理という技術が有り、それほど難しい処理をすることなく、画像を補正して、ゆがみのない画像を作る事が可能です。特に現在のスマホカメラは少なくとも数百万画素という高解像度ですから、画像処理をしても、解像度が落ちるというわけではありません。レンズというハードと、画像処理というソフトを組み合わせる事によって、自撮り棒に代わる機能を実現できるのです。ぜひソフトのほうも合わせて販売を希望します。

神戸大学大学院工学研究科 特命教授・名誉教授

1989年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程通信工学専攻修了、工学博士。同年、京都工芸繊維大学助手、愛媛大学助教授を経て、1995年徳島大学工学部教授、2005年神戸大学大学院工学研究科教授。情報セキュリティ大学院大学客員教授。情報通信工学、特にサイバーセキュリティ、インターネット、情報理論、暗号理論等の研究、教育に従事。加えて、インターネットの文化的社会的側面についての研究、社会活動にも従事。内閣府等各種政府系委員会の座長、委員を歴任。2018年情報化促進貢献個人表彰経済産業大臣賞受賞。 2019年総務省情報通信功績賞受賞。2020年情報セキュリティ文化賞受賞。電子情報通信学会フェロー。

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