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脱マスクで「顔」さみしい? 帽子&サングラスが人気の傾向

宮田理江ファッションジャーナリスト/ファッションディレクター
ETRO 2023年春夏ミラノコレクション(写真:REX/アフロ)

ようやくマスクをはずしてもとがめられない状況を迎えて、おしゃれにも変化が見えてきました。目立つ新傾向の一つに「帽子×サングラス」のダブル使いが挙げられます。一番の理由は外出する機会が増えたことが挙げられるでしょう。実際には日本ではまだマスクを着用する人が多いようですが、マスクが「顔の主役」みたいに映るのを避ける意味でも、帽子やサングラスは効果的です。

脱マスクになると、今度は顔まわりになにもないのがさびしく感じることも。インパクトのある帽子やサングラスを選ぶことで、主張をまとえる新スタイリングに導きます。紫外線が強くなるこれからの季節、顔周りのおしゃれと予防がダブルで叶うスグレモノでもあります。帽子で人気が高いのはバケットハットやその発展形。サングラスも大ぶりや印象的なテンプルが復活。人気が広がる理由を探ってみました。

大人カジュアルにも、華やかモードにも、アクセサリー感覚でコーデ

トレンドとして人気の「クロシェ編み」に注目
トレンドとして人気の「クロシェ編み」に注目写真:Splash/アフロ

バケツ形のバケットハットはストリート風味が好まれて、日本でも人気が定着。でも、見慣れてきたこともあって、最近は素材使いの凝ったエレガント寄りのデザインも増えてきました。着こなしのバリエーションを広げやすいので、取り入れるメリット大です。

俳優のアン・ハサウェイはおしゃれアイコンとしても有名。この日は白シャツにジーンズというベーシックなカジュアルルック。エレガントヒッピーなムードをプラスしているのは、クロシェ編みのバケットハット。丁寧な職人技がカジュアル姿に格上ムードをもたらしています。大ぶりサングラスを添えて、優雅なリラックス感を演出。

このように、サングラスと帽子をセットにするとシンプルコーデにその人らしい個性が演出されるかのようです。アクセサリーは何もつけていないのに、華やかに見えるのは、帽子とサングラスの存在感のおかげです。

FENDI BAGUETTE 25TH ANNIVERSARY COLLECTIONS The Fendi Baguette Show(2022年9月開催)
FENDI BAGUETTE 25TH ANNIVERSARY COLLECTIONS The Fendi Baguette Show(2022年9月開催)写真:REX/アフロ

バケットハットはカジュアル服だけでなく、ドレッシーなスタイルに取り入れると新感覚のミックスコーデに仕上がります。トップブランドは既に提案済み。ニューヨークで発表された「フェンディ(FENDI)」のアイコンバッグ「バゲット」の誕生25周年ショーでは、きらめきシルバーのスパンコールドレスに身を包んだモデルがレオパード柄のハットをかぶってランウェイに現れました。

大ぶりのキャッツアイサングラスは白いリムがアイキャッチーで、華やかさをアップ。帽子とサングラスの両方ともインパクト大のコンビネーションです。ファニーな雰囲気とドレッシーなドレス、メンズ風アウターとのテイストミックスが遊び心をくすぐるコーデ。お出かけ気分をいっそう弾ませてくれそうです。

帽子もサングラスも新タイプに脚光 プロに聞く最新傾向

丸みを帯びた形がやさしげでレディーライクな雰囲気を演出 (画像協力:OVERRIDE)
丸みを帯びた形がやさしげでレディーライクな雰囲気を演出 (画像協力:OVERRIDE)

クラシカルやエレガントなファッションが復活している流れもあり、バケットハットに続いて、最近は曲線的なシルエットが印象的なチューリップハットも支持率があがってきています。バケットに比べて上品でエレガントな雰囲気もチューリップハットの持ち味。髪をすっぽり包む「ボンネット形」はレディーライクな雰囲気を醸し出せます。

帽子セレクトショップ「OVERRIDE(オーバーライド)」(株式会社 栗原・第二事業部MD/企画グループ)ブランドディレクターの小林真子さんによると、「トップ部分が平らなバケットハットのブームから徐々に丸天の小ツバハット(チューリップハット)にレディースのトレンドは移行してきています。その中でも一見、普通のハットに見えるけれども、あごひもが付いていて、すっぽりと包み込まれるようにかぶれる、レトロな雰囲気のボンネットタイプが人気急上昇中。程よく柔らかいニットの素材感に加え、アレンジしやすいひも付きなのも人気の理由です」と語ってくれました。

このようにデザインのおしゃれさとアレンジのしやすさの両方が兼ね備わっているタイプはますます受け入れられていきそうです。

幅のワイドなテンプルで堂々とした印象に (画像協力:Ray-Ban)
幅のワイドなテンプルで堂々とした印象に (画像協力:Ray-Ban)

サングラスの代名詞的なブランドの「Ray-Ban(レイバン)」をはじめ、幅広くアイウエアを取り扱う「LUXOTTICA (ルックスオティカ)」PRスペシャリストの松井英里さんによると、「アフターコロナのトレンドは太めのフレームで、ボールド感のあるタイプ。テンプルに大きなロゴが入っているものや、テンプルが極太のモデルなど、極端に大きなアイテムなどに人気が出ています。カラーはトランスペアレント(透明)やカラフルなフレームも人気になってきています。脱マスクが広がって、サングラスを掛けたい気持ちが高まってきているからなのか、主張が強めのタイプが支持される傾向があります」とマスクオフと外出との親和性を説明してくれました。

着こなしのアクセントに 自己表現のツールにも

薄着になっていく夏の装いに、顔周りアイテムはこれからの季節のおしゃれを盛り上げるうえで、好都合。顔周りのアクセントとして活用する人が増えていきそうです。カジュアルな服を華やかに仕上げたいとき、一方できちんと感ある服をハズして見せたいときなど、シーンや着こなしのムードを変えたいときにも便利です。もちろん、紫外線などの強くなるシーズンに機能面でも申し分なし。自己表現のツールや気持ちを高揚させたりなど様々な効果も。脱マスクはこれまでは着けなかったタイプの帽子やサングラスを新たに迎え入れるチャンスかもしれません。

(関連サイト)

OVERRIDE

https://override-online.com/

Ray-Ban

https://www.ray-ban.com/japan

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ファッションジャーナリスト/ファッションディレクター

多彩なメディアでコレクショントレンド情報をはじめ、着こなし解説、スタイリング指南などを幅広く発信。複数のファッションブランドの販売員としてキャリアを積み、バイヤー、プレスも経験。自らのテレビ通販ブランドもプロデュース。2014年から「毎日ファッション大賞」推薦委員を経て、22年から同選考委員に。著書に『おしゃれの近道』(学研パブリッシング)ほか。野菜好きが高じて野菜ソムリエ資格を取得。

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