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中村哲さんの肖像が尾翼に… アフガン航空会社の画像、反響1万超す

南龍太記者
カーム航空のフェイスブックの画面

 アフガニスタンで人道支援や復興に力を尽くしてきた中村哲さんが銃撃されて亡くなり、悼む声が世界中に広がっている。そうした中、同国の航空会社「カーム航空」(Kam Air)が、機体の尾翼に描いて見せた中村さんの似顔絵の画像をフェイスブックやインスタグラムに投稿した(※文末注)。

 口ひげをたくわえた優しげな横顔、フェイスブックの投稿への反響は1万を超え、中村さんがいかに敬愛されていたかをあらためて示した。

 かけがえのない人を失った。

「ずっと感謝し続けます」

 2003年設立のカーム航空はカブール国際空港を拠点とするアフガニスタンの航空会社の1つ。

 5日、中村さんの肖像が描かれたように見える垂直尾翼の右側の画像を、フェイスブックに次のペルシア語のコメントとともに投稿した。

アフガニスタンの人々のために奉仕することを選び、残念ながらその活動中に亡くなりました。

故中村医師、アフガニスタンの人々はあなたのしてくれたことにずっと感謝し続けるでしょう。

 フェイスブックには「いいね」や「悲しいね」といった反応が計1万を超えた。普段のカーム航空の投稿に対する「いいね」は数百程度であるのに比べ、今回の中村さんにまつわる投稿の反響の大きさを物語っている。

カーム航空のフェイスブックの画像(右)とそれを伝えるTOLOニュース
カーム航空のフェイスブックの画像(右)とそれを伝えるTOLOニュース

 

地元メディアの動画も

 地元メディア「TOLOニュース」もこのカーム航空の動きを動画とともに伝えた。

アフガニスタンの航空会社カーム航空は、「エアバス340」に日本人支援者、中村哲氏の肖像を描いて敬意を表した。

「空港の名前を中村空港に」

 カーム航空の投稿はフェイスブックやツイッターで広くシェアされている。アフガン人からとみられるペルシア語を中心としたメッセージも900件近く寄せられ、

アフガン人の悲しみを世界に知らせてくれてありがとう。中村哲医師、ごめんなさい。

彼と彼の国の名前が永遠に残りますように。

のような内容のほか、

政府もカブールの空港の名前を「ナカムラ」の名前に変えてくれたらと願う。

といったものまであった。

* * *

 この尾翼の肖像画は加工されたものではないかとの見方もありましたが、そうだとしても投稿に込められた中村さんへの哀悼の意や、寄せられた心あるメッセージの数々が否定されるものではないと考え、記事にさせていただきました。

(※何か追加で確認できましたら、あらためてお知らせします)

記者

執筆テーマはAI・ICT、5G-6G(7G & beyond)、移民・外国人、エネルギー。 未来を探究する学問"未来学"(Futures Studies)の国際NGO世界未来学連盟(WFSF)日本支部創設、現在電気通信大学大学院情報理工学研究科で2050年以降の世界について研究。東京外国語大学ペルシア語学科卒、元共同通信記者。 主著『生成AIの常識』(ソシム)、『エネルギー業界大研究』、『電子部品業界大研究』、『AI・5G・IC業界大研究』(産学社)、訳書『Futures Thinking Playbook』。新潟出身。ryuta373rm[at]yahoo.co.jp

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