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九州南部が梅雨明け なぜ九州北部~関東・東北はまだなのか?

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雨の予測。日本付近のまとまった降水域が梅雨前線。(大まかな傾向として見て下さい)

夏空なのになぜ梅雨明けではない?

16日午前、九州南部で梅雨明けの発表がありました。

そのほかの各地も、夏空と真夏の暑さの日が増え、「梅雨明けなのでは?」という声も多くなっています。

たしかに、もう真夏の空気に覆われていますから、ほぼ梅雨明けです。

ただ、19日(土)・20日(日)頃にかけて、梅雨前線が弱まりながらも戻ってきます。今週後半は雲が増えて、急な雨や雷雨があちこちで起こります。気象庁は、これを見極めてからという判断なのでしょう。

来週明けまでには梅雨明けか

「梅雨入り・梅雨明けなんて人それぞれが感じるもの。わざわざ発表する必要はない」という声もあり、同感の部分もありますが、この発表を境に、消費行動やレジャーへの足の向き方は、明らかに変わります。それだけ、参考にしている人が多いということです。

海や山など外に出る人に対し、急な雨や雷雨に油断しないで、というメッセージを込めているとすれば、まだ梅雨明けを発表しないのは、一定の理解はできます。

いずれにせよ、来週明けには梅雨前線が、北海道かその北まで北上するので、西日本では20日(日)・21日(海の日)頃までに、東日本は21日・22日(火)頃までには、梅雨明けしている所が多そうです。(東北は、その後に前線が南下するかどうかを判断してからか。)

季節のダブり期間のどこに線を引くか

昨日まで梅雨、今日から夏、とスパッと季節がわかれる年は、多くありません。

だいたいは、なんとなく晴れて暑い日が増えて、それでも曇りや雨の日がある、という「季節のダブり期間」があります。

たとえば、今年の関東なら今日(16日)までの6日間のうち5日も晴れていますから、これをもとに、梅雨明けと判断しても良い気もします。

一方で、今度の週末にひどい雨や雷雨に遭遇した人は、「梅雨明けなんてまだ」と感じるでしょう。

季節に一本線を引くというのは、もともと無茶な作業ですが、今年はより、人によって感じ方が変わる気がします。

■梅雨明けを1か月以上前から予測するのがいかにナンセンスか…

『関東甲信が梅雨入り 梅雨明けはいつ頃?』(6月5日)

■当初、冷夏という予報もありましたが…

『「今年は冷夏」で決まりですか?』(5月23日)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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