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気象予報士が分析するサッカーW杯 日本のリーグ突破のカギは天気?

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雨のシミュレーション(日本時間13日)。ブラジルの赤道付近や沿岸部に雨の予測。

サッカー・ワールドカップ(W杯)、ブラジル大会。日本代表の活躍に、期待が高まります。グループリーグの相手はいずれもFIFAランキング上位国で、厳しい戦いも予想されますが、結果を「雨」が左右するかもしれません。

雨は強豪に味方する

W杯で、FIFAランキング下位国が上位国に勝つことはいくらでもあります。ただ、雨が降った試合では、結果が偏ります。

前回の南アフリカ大会。雨の試合では、ランキング上位国が3勝2分。ポルトガル(当時ランク3位)が北朝鮮(同105位)に7対0と大差をつけた試合は、土砂降りでした。

前々回のドイツ大会も、雨の試合では、ランク上位国の3勝1敗。(この1敗も、サウジアラビア(同34位)がウクライナ(同45位)に敗れたもので、実質は力がある国が勝っていたのですが。)

2002年の日韓大会でも、日本(同32位)が敗退したのは、雨の宮城で、ランク上位のトルコ(同22位)に敗れて。霧雨けむる横浜での決勝は、ランク上位のブラジル(同2位)が、ドイツ(同11位)を破って優勝を決めています。

雨がなければ日本はイタリアに勝っていた?

今から一年前にも、雨での象徴的なシーンが日本代表戦でありました。

昨年6月にブラジルで行われた、W杯のプレ大会であるコンフェデレーションズ杯。日本は強豪イタリアに、前半は2対1で勝っていました。

ところが後半、急に強い雨が降り出します。降った時間は5分ほどでしたが、その間に2点を立て続けに取られ、結局は敗戦しました。

雨の試合は、やはり技術力や地力の差が、出てしまうということでしょうか。

ちなみに、このイタリア戦があったレシフェで、日本はW杯の初戦を戦います。

ブラジル大会は急な雨も想定が必要

今回のブラジル大会は、高温多湿な会場が含まれ、前回や前々回に比べると、急な雨は降りやすい環境です。グループリーグ内でランクが最も低い日本代表には、あまり嬉しくない状況かもしれません。

ただ、もし雨が降っても、「実質は日本の実力が上だった」と言われるような戦いで、ポイントを勝ち取ってくれると期待したいですね。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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