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「山の日」の次は「雨の日」? 気にしておきたい祝日と天気の関係

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

2016年から8月11日を「山の日」とする改正祝日法が成立しました。これで、祝日がないのは6月のみ。祝日をこれ以上増やすのはどうかという声もありますが、いずれ「6月にも祝日を」という声が大きくなるのではないでしょうか。

雨の日?川の日?

気が早い人からは、もう「雨の日」や「川の日」などの案も出ているようです。

そんな軽い名前でよいのかと思ってしまいますが、「海」「山」と来たら、それも有り得ない話ではないのかもしれません。

ただ、もし制定するなら、6月ということに意味をもたせたいものです。

「雨や水に感謝するとともに、雨や水の災害が増える時期を前に意識を高める日」などとして、地域で防災訓練を行ったり、家族で災害について話し合う日などとすると、意義はある気がします。

日付は、暦の上での梅雨入りとされる“雑節”の「入梅」(6月11日頃)が一つの候補でしょうか。 

ハッピーマンデーは失敗?

ところで、祝日といえば、ハッピーマンデーと天気の相性が良くありません。もともとは雨が少ない日だったのに、ハッピーマンデー化したために、雨の日が増えたという祝日が多いのです。

有名なのが体育の日。10月10日に固定されていた34年間は、東京で1ミリ以上の雨が降ったのは5年(15%)だけでしたが、ハッピーマンデー化のあとは50%。つまり、2年に1年の割合で雨になっています。

また、海の日は7月20日に固定されていた間は0%(一度も1ミリ以上の雨なし)だったのが、第三月曜日になってからは約20%に。成人の日も、雨や雪の年が増えています。(敬老の日は、もともと雨の日が多い)

色々と弊害も指摘されるハッピーマンデーですが、外出などの天気の面から見ると、あまりハッピーではない結果となっています。

祝日は季節の目印

「暑さ寒さも彼岸まで」の頃の春分・秋分の日や、「秋晴れに恵まれる頃」として知られる文化の日のように、祝日は「季節」を感じさせてくれる目印になっています。

身近な祝日によって、「今年はいつもより残暑が長い」や「秋晴れが少なく、おかしい」など、季節の異変に気づきやすくなります。

祝日が年によって移動すると、その効果は薄れます。

もし6月に祝日を設けることがあるなら、日を固定し、雨季が例年と比べてどうか、季節の歩みを知らせてくれる存在になればと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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