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夏の余熱が生む連続台風 寒暖差の原因にも

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
4日午前11時の気象衛星画像。(気象庁HPより。一部加工)

連続して発生する台風

台風23号は、5日(土)から6日(日)にかけて、沖縄に最接近。コースがだんだん西へカーブするように変わってきているため、宮古島や石垣島など先島諸島での影響が大きくなる恐れがあります。

また、サイパンなどマリアナ諸島付近には台風24号があり、23号のあとを追うように週明け日本列島へ接近する可能性が出てきています。

さらに、大きな雲の塊がフィリピンの東にも。渦を巻いてしまうと、台風まで発達して、北上する恐れもあります。

最新の台風予報:http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/typhoon/

なぜ台風が次々と北上?

2日の上空の気温。暖色が気温高く、寒色が気温低い。台風22号の北上で熱が北へ。
2日の上空の気温。暖色が気温高く、寒色が気温低い。台風22号の北上で熱が北へ。

台風はなぜ北上をするのか?大まかに言ってしまうと、熱帯・亜熱帯で余った熱を、北へ運ぶためです。

地球は、放っておけば、太陽の強い日差しがよくあたる赤道周辺がどんどん暑くなって、極はどんどん寒くなる一方です。それを解消してバランスをとるために、南から熱が運ばれてきます。熱や水蒸気を蓄えて発達する台風は、熱の運搬係というわけです。

10月でも台風が発生するということは、まだ熱帯・亜熱帯に熱が余っているとも言えます。今年の夏、西部太平洋の気温や海水温が高かった影響が長引いています。

台風がもたらす寒暖差

4日の上空の気温。台風22号が消え、寒気が南下。一方、23号が再び熱を北へ。
4日の上空の気温。台風22号が消え、寒気が南下。一方、23号が再び熱を北へ。

今週は、関東の東を北上した台風22号が、熱を運んできたせいで、2日(水)~3日(木)に各地で季節はずれの暑さになりました。

台風の持ち込んだ熱のせいで、南下したくてもできなかった寒気は、台風22号が東へ去って消えたおかげで、ここぞとばかりに南下。4日(金)は各地で、気温が急降下しました。

ところが、台風23号の北上や、その後に次々と北上する台風が熱をまた運んでくるため、気温は上昇傾向。台風の動きしだいで、来週も季節はずれの暑さになる所が出てきそうです。

(※4日16時30分 台風24号の発生を追記)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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