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今週は台風が連続接近 多発傾向の今年の台風

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
1日午前6時の台風進路予想。左が23号、右が22号。

台風22号は、2日に関東接近

台風22号は、伊豆諸島の南にあって、2日(水)に関東のすぐ東海上を北上します。

先週、似たところを通った台風20号に比べると、勢力は弱いです。ただ、そうは言っても台風。関東などの海沿いを中心に、雨風が強まったり、東日本や東北の太平洋岸で波が高まります。

台風23号は、22号より強力に発達

さらに、23号も発生しています。こちらは、はるか南から北上。遠くからやってくる台風は、時間をかけて熱と水蒸気を海から多く受け取るぶん、成長しやすくなります。成長する時間があまりなかった22号に比べると、しっかり成熟した台風となって北上してくる恐れがあります。

台風23号も列島に接近

台風23号の11のシミュレーション計算結果。紫の所が確率高い。(韓国気象庁HP)
台風23号の11のシミュレーション計算結果。紫の所が確率高い。(韓国気象庁HP)

現在の台風予報で使われている一つの手法が、「マルチモデルアンサンブル」と呼ばれるものです。様々なシミュレーション(モデル)をアンサンブル(調和)させて、確率の高いコースを割り出すというものです。

最新の計算結果を見ると、23号は、3日(木)頃に沖縄の南まで北上するというのは、各データとも一致。その後、週末にかけてさらに北上しますが、西へ向くか東へ向くかは、まだ幅がある状況です。

今年の台風は多発傾向

今年の9月までの台風発生数は23個。平年の18個を上回っています。海水温が高かったことも一因でしょう。

一年間の平年発生数は、25.6個です。実はここ8年、発生が平年より少ない状態が続いていましたが、今のペースでいくと今年は2004年以来、久々に平年より多い発生数になる可能性が高くなっています。

台風23号のあとも、南海上で次の台風が発生する予測データが一部に。10月もまだ気が抜けません。

台風が遠くても危険な「一発大波」(9月24日)

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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