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日銀の物価見通し修正で、追加利上げも意識か

久保田博幸金融アナリスト
(写真:つのだよしお/アフロ)

 日本銀行が25、26日に開く金融政策決定会合では、好調な今年の賃上げなどを受け、2024年度の消費者物価(生鮮食品を除く)見通しの上方修正を議論する公算が大きい。事情に詳しい複数の関係者への取材で分かった(9日付ブルームバーグ)。

 久しぶりに「事情に詳しい複数の関係者」が登場した。これは「リーク」というよりも、そういった可能性をあらかじめ示す示唆といったものではないかと思われる。

 ちなみにリークとは、機密を漏らすこと、機密が漏れることとされるが、あらかじめその方向性があることを示すのはリークとは言えないのではなかろうか。ただし、会合の途中で総裁の議案提示を漏らすことはリークと言わざるを得ないが。

 それはさておき、4月の金融政策決定会合では、経済・物価情勢の展望(展望レポート)も公表されるこのなかで、2024年度のコアCPI見通しを従来の前年比2.4%上昇から引き上げることを検討する可能性が高いそうである。

 4月の展望レポートからは2026年度の見通しも公表されるが、2026年度のコアCPI見通しは2%程度が見込まれるという。

 いずれの数値も展望レポートの消費者物価指数(除く生鮮食品)の政策委員見通しの中央値である。

 1月の展望レポートでの2024年度の消費者物価指数(除く生鮮食品)の政策委員見通しの中央値はプラス2.4%となっていた。それがもう少し引き上げられる。足元の数値などを考慮してのものとなろう。

 ここで注意すべきは、4月から加わる2026年度の見通しとなり、こちらも日銀の物価目標の2%を割り込まないと予想するのであれば、追加利上げがやりやすくなる。

 むろんそのための数値ということではないと思われるが、市場がそういった読みをしてくる可能性は高いのではなかろうか。

 個人的には今年7月の金融政策決定会合での0.25%の利上げ、12月あたりにも0.5%への追加利上げを予想している。やはりキーとなるのはそのあとの0.75%への利上げとなると思われる。いまが金融政策の正常化に向けた千載一遇のチャンスであることにかわりはない。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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