日米の金融政策の方向性の違いが顕著となり、再び円安進行、ドル円は140円も視野か
24日に発表された個人消費支出(PCE)価格指数は1月総合指数および食品とエネルギーを除くコア指数が共に予想を上回る伸びとなった。この指数はFRBがインフレ指標として重視するものでもあり、これを受けて、FRBの金融引き締めが長期化するとの見方から、24日の米国債は売られ、米10年債利回りは一時3.97%まで上昇し、4%に接近した。
欧州の国債も総じて売られ、ドイツの2年債利回りは一時3.021%と2008年10月以来の水準まで上昇し、イタリアの2年債利回りは3.658%と約10年ぶりの高水準を付けた(25日付ロイター)。
次期日銀総裁候補の植田和男氏は24日の衆院での所信聴取で、物価2%目標の達成にはまだ時間がかかるとの認識を示した。また。現在の大規模な金融緩和を継続するとともに、2%の物価安定目標を盛り込んだ政府・日銀の共同声明を当面、変える必要はないという考えを示した。
FRBによる利上げ長期化観測に加え、日銀の方向転換はさらに遅れる懸念が強まり、日米の金融政策の方向性の違いがあらためて顕著となった。
これを受けて24日のニューヨーク外国為替市場でドル円は一時、136円52銭と昨年12月20日以来、約2カ月ぶりの円安ドル高水準を付けてきた。
ドル円は昨年10月に一時151円台を付けたあと、一時130円割れとなり、円高ドル安が進んでいた。しかし、ここにきて再び切り返してきた。
米長期金利が4%台を回復するとなれば、ドル円の140円台乗せの可能性もある。少なくとも4月まで日銀の政策修正はないとの見方が強まるようだと、再び仕掛的な動きが入ってきてもおかしくはない。3月の金融政策決定会合でのサプライズ修正も絶対ないとは言えないが。