英国CPIショック。前年比伸び率が二桁に。欧米の国債が動揺し、長期金利は大幅上昇。円安も進行
英国立統計局(ONS)が17日に発表した7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比10.1%の上昇となった。6月の9.4%の上昇から延びが加速、1982年2月以来の高い伸びとなり、伸び率が10%突破し二桁となった。幅広い分野で値上がりとなり、食品価格が前年同月比12.7%の上昇率に達したことが最大の要因とされた。
英国の7月の消費者物価指数が市場予想(9.8%上昇)も上回ったことを受け、英国債は売られ、英10年国債の利回りは2.28%と前日の2.12%から大きく上昇した。英国のCPIを受けて、欧州の物価も高止まりが続き、ECBの大幅による大幅利上げが連想され、ユーロ圏の国債も軒並み売られた。この結果、ドイツの10年債利回りはあっさりと1%台を回復した。
これに驚いたのは米国債券市場である。注目された0.75%の利上げを決めた7月のFOMC議事要旨では、どこかの時点で利上げペースを緩めることが適切になると判断、必要以上に金融政策を引き締めてしまうリスクがあるとの認識を共有したとあった。これは米国債には買い要因となる、しかし、英国CPIを受けた欧州の国債利回りが大きく上昇したことで、これが米債にも波及した。米10年債利回りは2.90%と前日の2.80%から大きく上昇したのである。
欧米の長期金利の上昇を受けて、外為市場では円安も進行し、ドル円し一時135円半ばまで上昇した。英国CPIを受けて、風が吹けば桶屋が儲かるといった相場展開となった。イングランド銀行は10月に消費者物価指数が前年同月比13%を超え、ピークを迎えると予想している。