イングランド銀行は0.5%の大幅利上げを決定するとともに年内リセッション入りを予想
英国の中央銀行であるイングランド銀行は4日の金融政策委員会(Monetary Policy Committee)において、政策金利を0.5%引き上げて年1.75%にすることを決定した。MPCメンバー9人のうち8人が0.5%の利上げを支持した。テンレイロ委員は0.25%を主張した。
利上げは6会合連続となる。0.5%の利上げは1995年2月以来27年半ぶり。1997年に金融政策運営の独立を政府から認められ、金利を自由に決められるようになってからでは初めて(4日付日本経済新聞)。
保有資産の圧縮に向けて、過去に買い入れた英国債の市場での売却開始を、9月中旬の次回会合で決議することも確認した。市場環境をみながら早ければ同月から売り始める。すでに3月から満期を迎えた債券の再投資を止めることで残高を減らしている。
利上げを急ぐ背景には深刻な物価高がある。6月の英国の消費者物価は前年同月比9.4%の上昇と40年ぶりの高い伸びとなり、インフレ抑制を優先した格好。
今後の景気見通しを下方修正した。これまで早ければ2024年にゼロ成長に陥るとみていたが、今回は今年第4四半期にリセッション(景気後退)入りすると予想。リセッションは5四半期続き、国内総生産(GDP)が2.1%減少するとの見込みを示した。
4日の英国債は買われていたが、0.5%の利上げが予想通りであったことに加え、今年第4四半期にリセッション入りするとの予想を受けて、主要中央銀行の積極的な金融引き締めで世界景気が減速するとの懸念の強まりが背景にあった。