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プリンターで実感、コロナ禍などによる品薄、物価にも影響か

久保田博幸金融アナリスト
(提供:dios51/イメージマート)

 久しぶりにプリンターを使おうとしたところ、黒色が出ないというエラーが発生した。いろいろ試しても解消できず、その結果新しいものを購入したほうが早いと思い、近くの家電量販店に行ったところ、一部高級品以外在庫がなかったことに気づかされた。

 あわててアマゾンで調べたところ、安価なものは妙にプレミアムが乗っているものが多く、いつ届くのかも不明。何とか新型のキヤノン製をみつけて購入した。この機種も見る間に在庫がなくなっていった。

 いったい何が起きているのか。どうやらテレワークの普及とともに半導体不足によってプリンターの供給にも支障が出ているようである。正確に言えば、未だに品薄状態が続いているといえる。

 ベトナムでの新型コロナウイルスの感染拡大によって、日本のプリンター製造大手のキヤノンに影響が出ていることも大きいとか。

 品薄となっているのはプリンターだけではない。温水洗浄便座や給湯器などにも影響が出ている。

 またベトナムやタイでの感染拡大などにより、冷凍エビなど冷凍食品にも影響が出ているとか。

 コロナ禍におけるテレワークの普及で、プリンターだけでなくパソコン本体などへの需要が拡大したが、半導体不足による影響も大きい。

 世界的な半導体の不足や、東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大に伴う部品供給の停滞の影響で各社が減産を迫られ、新車が足りない状況となっていると1日に読売新聞が報じた。

 半導体を含めた品薄状態は当面続くことが予想されている。東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大が収まっても、すぐに供給が復活するわけではない。人材不足なども報じられている。

 これから年末に向けて年賀状向けのプリンターだけではなく、いろいろと需要が高まるものもみあると思うが、簡単に手に入るはずのものがそうでなくなっていることもあるため、念の為チェックしておく必要があるかもしれない。

 しかし、サプライチェーンを完全に把握することは難しく、何がどう影響してくるのかの見極めも難しいことも確か。

 品薄に経済の正常化が追い打ちを掛けてくる可能性がある。物がなければ安売りは期待できない。品不足のものは価格を下げることは難しく、むしろプレミアムが乗ってくることも予想される。さらにはここに円安による輸入物価への影響も加わる。日本でも消費者物価などへの影響はないとは言えなくなりそうである。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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