外国人の中国国債の保有残高は5月末時点で約2.1兆元(約36兆円)と前年同月から46%増え、2か月連続で過去最高を更新。保有比率は10%超と3年で2倍になった(8日付日経新聞)。

 念の為、海外勢の日本国債の保有比率は短期債を除くもので7.2%、全体では13.3%となっている(資金循環統計、2020年10~12月期速報値より)。

 中国と欧米諸国との間で政治的な緊張が高まる中、いったい誰が何のために中国の国債を購入しているのであろうか。

 日経新聞によると外国人の中国国債の保有額は2016年初めで2500億元程度だった。18年夏には1兆元を突破し、21年に入って2兆元を上回るなど急ピッチで拡大しているそうである。

 2017年7月から香港から中国本土への取引「北向通」が先行開始され、海外の機関投資家が香港の決済システムを使って中国本土の債券を売買できるようになった。これは債券通(ボンドコネクト)と呼ばれるもので、中国が債券市場に海外資金を呼び込もうと整備をしており、その結果として中国国債を海外勢が買いやすくなった。

 国際決済銀行(BIS)によると、中国の債券市場の規模は2018年に日本を抜き世界2位に浮上していたそうである。

 中国国債の格付けは格付会社S&PグローバルによるとシングルAプラスと、日本と同格となっている。利回りは中国の10年債で3%程度あることで、最大の魅力は格付けと比較しての利回りの高さにあろう。

 ただし、日本の投資家などは政治リスクを意識して購入をためらっているなど、政治リスクは意識されよう。しかし、比較的中国に近いロシアなどでは、積極的に中国国債を購入している可能性がある。

 さらに10月末からは英国の指数算出会社のFTSEラッセルの代表的な国債指数に中国国債が段階的に組み入れられるとか。その指数に応じて運用しているところは、指数にマッチさせるため、ある程度の中国国債を購入する必要性が出てくる。

 中国は米国と覇権争いをするほど国力を高めており、他の新興国よりも経済などについては安定性もある。これも中国国債に投資しやすい要因となっている。

 いずれ日本からも恐る恐るながら、利回りを求めて中国国債への投資を行う投資家が出てくるものと予想される。すでに生保の一部では投資を行っているようである。