11月の米国債の国別保有残高で、中国が6か月ぶりに増加、外貨準備増や米大統領選を睨んだ動きか

(提供:PantherMedia/イメージマート)

 米財務省が1月19日に発表した昨年11月の国際資本収支統計における米国債国別保有残高(MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES)によると、日本は引き続きトップを維持していたが、2位の中国が6か月ぶりに増加に転じていた。

MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES https://ticdata.treasury.gov/Publish/mfh.txt

 昨年3月に米長期金利は一時、0.3%台に低下した。その後も米長期金利は低迷していたが、8月に0.5%あたりまで低下したあと、じりじりと上昇基調に転じてきた。

 新型コロナウイルスのワクチン普及による景気回復への期待もあったが、米国株式市場がハイテク株などを主体に切り返してきたことから、リスク回避の反動のような動きとなって、米長期金利は上昇基調に転じてきた。

 11月の海外投資家の米国債保有額は、10月の7兆684億ドルから11月は7兆536億ドルに減少した。

 あらためて国別の米国債保有残高を確認すると、11月の日本の米国債保有額は1兆2608億ドルとなり、前月比で87億ドルの減少となったが、引き続きトップは維持した。

 これに対して、2位の中国は1兆630億ドルとなり、前月比で90億ドルの増加となった。前月比で増加したのは、昨年の5月以来となった。11月は中国の外貨準備高が増加していた。中国経済の回復が続く中、人民元の上昇などが背景にあったようだが、それが米国債投資に充てられた可能性がある。また、米大統領選挙を睨んで積み増した可能性もあるか。

 上位10か国の米国債保有額は下記の通り。

国、米国債保有額、前月比(単位、10億ドル)

日本(Japan)、1260.8、-8.7

中国(China, Mainland)、1063.0、+9.0

英国(United Kingdom) 、420.3、-22.5

アイルランド(Ireland)314.3、-2.1

ルクセンブルク(Luxembourg)、267.8、+1.6

ブラジル(Brazil)、262.2、-0.7

スイス(Switzerland)、253.6、-2.3

ベルギー(Belgium)、240.5、+0.9

香港(Hong Kong)、226.5、-2.7

ケイマン諸島(Cayman Islands)、222.9、+1.4

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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