10月の全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年比-0.7%、GoToトラベルによる宿泊料の割引も影響
総務省が20日に発表した10月の全国消費者物価指数は、総合で前年同月比マイナス0.4%、生鮮食品を除く総合で同マイナス0.7%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合で同マイナス0.2%となった。
日銀の物価目標でもある生鮮食品を除く総合は、4月分が2016年12月以来、3年4か月ぶりにマイナスとなり、5月もマイナスが続いた。しかし、6月はガソリンなどエネルギー関連の下落幅が縮小し、横ばいとなり、7月も同様の横ばいに。しかし、8月は再びマイナスに落ち込み、9月もマイナスが続いた。
そして10月は前年同月比マイナス0.7%となり、2011年3月のマイナス0.7%以来のマイナス幅となった。マイナスとなったのは上記のように3か月連続となる。
これには、前月に続いて宿泊料が前年比37.1%の大幅下落となったことが影響していた。「Go Toトラベルキャンペーン」による宿泊料の割引が影響し、10月からは「Go Toトラベル」の対象に東京を発着する旅行が加わっていた。
昨年10月に消費税増税が物価を押し上げた格好となっていたことから、その反動もあった。
前年同月との比較での寄与度をみると、灯油(13.6%減)、ガソリン(9.2%減)が影響していた。
原油先物価格をみると、WTIは4月に一時マイナスとなったが。その後、中国などの原油需要の回復などから、徐々に値を戻して、6月には40ドル近くまで上昇した。これにより、エネルギーのマイナス寄与度が縮小した。7月以降のWTI先物は40ドル近辺の膠着相場となっている。前年比ではマイナスが続いている格好に。
大学授業料(私立)の4.3%減なども影響した。
生鮮野菜の上昇もあったものの、総合も前年同月比マイナスに。引き続き梨などは値上がりしていた。