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今年も健在 仙台七夕まつりの“雨のジンクス” 8日(日)は台風の影響も

小杉浩史気象予報士 / ウェザーマップ所属
仙台七夕まつりの吹き流し(撮影:ミヤギテレビアナウンサー 白壁 里沙子)

きょう6日(金)、仙台七夕まつりが2年ぶりに開幕しました。東北三大祭りの一つとも言われるこのお祭りですが、巷では「七夕まつり期間中、一日は雨が降る」というジンクスがあるそうです。

初日のきょうはにわか雨もなく晴天に恵まれましたが、今年も期間中はジンクス通りに雨の降る日がありそうです。

過去の七夕の天気は?

仙台七夕まつりは8月6日~8日で日付が固定されています。過去10年の七夕まつり期間中の天気を調べてみたところ「雨が降る」というジンクスがあるのも納得といった結果でした。

過去10年の8月6日~8日の天気(気象庁データを元に著者作成)
過去10年の8月6日~8日の天気(気象庁データを元に著者作成)

期間中は毎年1日は必ず雨が降っていて、2017年と2018年にいたっては3日間を通して雨。昨年は新型コロナウィルスの影響により七夕まつりそのものは中止されたにも関わらず、やはり雨の降る日がありました。

今の時期は、年によってはまだ梅雨が明けていなかったりしますし、また梅雨明けが平年並みか早い年などは一旦太平洋高気圧が弱まり出すタイミングになるため、このように雨の降る日が現れるものと思われます。(東北南部の梅雨明け平年日は7月24日頃)

そして今年もこの例に漏れず雨の降る日がありそうです。

原因は台風10号

6日(金)日中の衛星可視画像(提供:ウェザーマップ)
6日(金)日中の衛星可視画像(提供:ウェザーマップ)

現在、日本の周りには台風が3つも発生しています。一番東の11号は今度どんどん東に離れていきますし、一番西の9号は熱帯低気圧へと弱まる見込みで当面は宮城への影響はありません。ただ真ん中の台風10号が仙台七夕まつりの天気に影響を及ぼします。

6日(金)18時気象庁発表 台風の予想進路図(提供:ウェザーマップ)
6日(金)18時気象庁発表 台風の予想進路図(提供:ウェザーマップ)

前回宮城にやってきた台風8号の時は、太平洋高気圧がいびつな形で張り出していたため東から西へと進むという変わった進路を取りましたが、今回は太平洋高気圧が南に退いていて、その縁に沿うように台風10号は北東へと進みます。

台風8号接近時 上空の太平洋高気圧の様子(ウェザーマップ提供に著者加工)
台風8号接近時 上空の太平洋高気圧の様子(ウェザーマップ提供に著者加工)

8日(日) 上空の太平洋高気圧の様子(ウェザーマップ提供に著者加工)
8日(日) 上空の太平洋高気圧の様子(ウェザーマップ提供に著者加工)

台風10号は8日(日)に関東に接近し、宮城県においても昼前後は一時的にザーザー降りになる所がありそうです。

8日(日)昼前の降水量の予想(提供:ウェザーマップ)
8日(日)昼前の降水量の予想(提供:ウェザーマップ)

台風の中心そのものは関東付近を通る見込みで、宮城において極端に雨の量が多くなる可能性は低いですが、海上では波が高くなりますのでご注意ください。

また仙台七夕まつりの吹き流しは和紙でできているため、雨が降ってくると吹き流しにビニールをかける場所もあります。今年も“ジンクス通り”そうしたビニールのかぶせられた姿になる時間がありそうです。

気象予報士 / ウェザーマップ所属

東京都出身。大学卒業後、会社員やフリーターなどを経て、2012年に気象予報士を取得。2015年からミヤギテレビにて気象キャスターとして出演中。趣味はバイクに乗ること、目標は「宮城の天気と言えばこの人!」と言われること。南東北の北東から、天気の怖さと面白さをお伝えします。

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