名実ともに冬スタート 今年の冬将軍はスタミナ不足? 宮城県は“暖冬”予想

今日の蔵王連峰。雪はほとんど見られません。(仙台市若林区にて著者撮影)

きょうから12月です。気象庁は12~2月を冬と定義づけていますので、暦の上だけでなく現在運用されている季節区分においても冬が始まったということになります。

ただ北日本にお住いの方からしてみれば、こんな気象庁の定義など紹介されずとも既に「冬」だと感じている方も多いかもしれません。

ここ1~2週間はたびたび強い寒気が流れ込み、平年並みか低い気温の日が多くなっています。

11月29日の最低気温分布(気象庁ホームページより)
11月29日の最低気温分布(気象庁ホームページより)

宮城県においても、先週金曜日の11月29日は駒ノ湯で最低気温-7.2℃を記録するなど、11月としては過去最も低い気温を更新した所もありました。

ただ今年の冬将軍は、前半はこのまま好調をキープしますが、途中からは息切れ&失速していく予想です。

暖冬予報の根拠はインド洋

先週気象庁が発表した1か月予報によると、東北地方では今週は平年より低い気温が続くものの、12月中旬からは一転して平年より高くなる予想です。

11月28日気象庁発表 東北地方の向こう1か月の気温の予想(気象庁ホームページより)
11月28日気象庁発表 東北地方の向こう1か月の気温の予想(気象庁ホームページより)

また同じく先週発表された12~2月の3か月予報を見ると、その先の来年1~2月も東北地方の気温は平年並みか高い予想です。

11月25日気象庁発表 東北地方の12~2月の気温の予想(気象庁ホームページより)
11月25日気象庁発表 東北地方の12~2月の気温の予想(気象庁ホームページより)

こうした予報の根拠はインド洋にあります。

・この先はインド洋西部の海面水温が平年より高くなる

→積乱雲の湧く位置が平年とずれる

→偏西風が日本付近では平年より北を流れる

→日本付近には北からの寒気が流れ込みにくくなる

という「風が吹けば桶屋が儲かる」のような伝播によって暖冬になるという予想です。

今年の冬に予想される大気の流れの特徴(気象庁ホームページより)
今年の冬に予想される大気の流れの特徴(気象庁ホームページより)

冬将軍は、今は平年以上の寒さをもたらしているものの、冬の途中からは日本にやって来づらくなり、気温は平年より高く、また日本海側や宮城県西部の雪は平年より少なくなるというが今のところの予想です。

ただ「暖冬」と言っても毎日ポカポカ暖かいというわけでは決してありません。暖冬と言うのは「3か月間の気温を平均したら平年より高い」というだけであって、元々が寒い北日本においては「暖かい」と感じる程ではないでしょう。

しかも3か月予報においては、北日本の冬を左右する大事な現象が予想されていません。

“北極振動”は3か月予報では予想されていない

北日本の冬においては、南の海だけでなく北の海=北極の動向も大事な要素です。

北極付近の地上気圧が平年より低くなると、日本など中緯度帯には寒気が流れ込みにくく、

反対に北極付近の地上気圧が高くなると、日本などに寒気が流れ込みやすくなる、

北極振動という現象があります。

「冬将軍のふるさとをつき止めた!」

出典:海洋研究開発機構「知ろう!記者に発表した最新研究 」より

この北極振動は、南の海の水温変化に比べると規模の小さい現象で、3か月予報ではうまく予想することができないためそもそも予想されていません

1つ1つの台風が1か月予報で予想されていないのと同じです。

このため平年より気温が高いと予想されている1~2月も、この北極振動次第では平年より気温が低くなる可能性はあります。

寒いのが好きな方も苦手な方も、雪が降らないと困るスキー場関係者の方も、最新の1か月予報などを小まめに確認して、冬将軍の動向を確認するようにしてください。