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台風15号 あす9日の昼前後に宮城県に最接近 日中は雨・風強い大荒れに

小杉浩史気象予報士 / ウェザーマップ所属
8日(日)日中の衛星可視画像(提供:ウェザーマップ)

きょう8日(日)は9月とは思えないほど強い日差しが照りつけて暑くなった宮城県ですが、あすは天気が“下り坂”どころか“急転直下”して大荒れの天気になりそうです。

強い日差しが照り付けた8日(日)日中の仙台市内(著者撮影)
強い日差しが照り付けた8日(日)日中の仙台市内(著者撮影)

原因は強い勢力の台風15号です。

大きさは小さくとも威力十分の台風15号

台風15号はきょう(日)17時現在、伊豆諸島付近にまで近づいてきています。通常、台風がこれだけ関東に近い位置にあれば宮城県でも雲行きが怪しくなっておかしくありませんが、この台風は大きさが小さいため、きょうの宮城県はそれらしい気配も感じられないほどよく晴れました。

8日(日)日中の衛星可視画像(提供:ウェザーマップ)
8日(日)日中の衛星可視画像(提供:ウェザーマップ)

ただ台風の「大きさ」と「強さ」は全く別物です。この台風は現在「強い」勢力となっていて、大雨や暴風をもたらす力は十分です。

宮城県にはあす9日(月)の昼前後に最も近付く見込みで、県内でもきょうの晴天から一転して雨・風ともに強い大荒れの天気になりそうです。

8日17時気象庁発表の台風進路図(提供:ウェザーマップ)
8日17時気象庁発表の台風進路図(提供:ウェザーマップ)

海上を中心に暴風・高波に

台風は通常、進行方向の右側が特に風が強まりやすく、右側を「危険半円」左側を「可航半円」と言ったりします。

9日(月)昼頃の風の予想(提供:ウェザーマップ)
9日(月)昼頃の風の予想(提供:ウェザーマップ)

ただ今回は右も左も関係ないほど、宮城県のすぐ近くを台風の中心が通過します。このため沿岸部や海上を中心に、午前は東風、午後は北寄りの風が強く吹く見込みで、瞬間的には30メートル前後と立っていられない程の暴風が吹くおそれがあります。

特に台風の中心がすぐ近くを通過する県南沿岸部では暴風に警戒が必要です。

9日(月)の波の予想(提供:ウェザーマップ)
9日(月)の波の予想(提供:ウェザーマップ)

また台風の接近に伴って海上の波の高さは6メートルに達する見込みですので、海には近づかないようにしてください。

セオリーとは逆に台風の左側でも強まる雨

台風の接近に伴いあすの宮城県は雨も強まります。

9日(月)午前の雨の予想(提供:ウェザーマップ)
9日(月)午前の雨の予想(提供:ウェザーマップ)
9日(月)午後の雨の予想(提供:ウェザーマップ)
9日(月)午後の雨の予想(提供:ウェザーマップ)

上述したように、通常の台風は進行方向右側で風が強まりやすく、それに伴い雨も進行方向右側で強まる傾向にありますが、今回の宮城県においては、そのセオリーとは逆に台風の左側でも雨が強まりそうです。

原因は風のぶつかり合いです。

今回は台風の西=日本海付近に小規模な高気圧が発生しそうで、その高気圧から吹く東風と、台風周辺の風がぶつかるため、台風の進行方向左側でも雨雲が発達する予想です。

9日(月)午後の雨と風の予想(提供:ウェザーマップ)
9日(月)午後の雨と風の予想(提供:ウェザーマップ)

この活発な雨雲がかかるため、昼前後を中心にバケツをひっくり返したような激しい雨が降り、総雨量は100ミリを超えて大雨になる所もある見込みです。

夕方以降は台風が離れ、荒天のピークは越えていく見込みですが、日中は大雨・暴風・高波の全てが今回は宮城県においても揃いそうです。大荒れの天気に警戒をし、日中は無理して外出などしない方がいいかもしれません。

気象予報士 / ウェザーマップ所属

東京都出身。大学卒業後、会社員やフリーターなどを経て、2012年に気象予報士を取得。2015年からミヤギテレビにて気象キャスターとして出演中。趣味はバイクに乗ること、目標は「宮城の天気と言えばこの人!」と言われること。南東北の北東から、天気の怖さと面白さをお伝えします。

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