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NY金21日:ドル続落で大幅続伸、クリスマス前の持ち高調整

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金2月限 前日比15.60ドル高

始値 1,065.20ドル

高値 1,081.40ドル

安値 1,063.10ドル

終値 1,080.60ドル

為替がドル安方向に振れる中、ショートカバー(買い戻し)主導で大幅続伸となった。

特にドルが大きく売られるような材料はなく、逆に週末のスペイン総選挙を受けて同国の政局に不透明感が強まるなど、改めてドル買い・ユーロ売りを進めることを支持する材料も目立った。ただ、今週はクリスマス休暇を控えていることもあり、ポジション調整中心の展開になり易く、ドルの反落がそのまま金相場の反発を促す構図になっている。弱気筋が年内の利益確定を進める動きを強めており、ややボラティリティが増している。

アトランタ連銀のロックハート総裁は、2016年は利上げが一会合おきに実施される可能性が高いとの見方を示した。年間で4度の利上げ見通しを支持する発言であり、本来であれば改めてドル高が進んでも違和感がなかった。ただ、為替市場でもポジション整理が優先される中、先週末に続いてドル高是正の動きが強く、金市場でもポジション整理が優先され易くなっている。

引き続きクリスマス休暇前とあってボラタイルな展開になり易い。ファンダメンタルズに関係なく内部要因の影響が増す中、更にショートカバーが膨らむ可能性を完全に否定することもできない。ただ、これによって金相場を取り巻く環境が好転している訳ではなく、年末が近づく中での一時的な調整高との理解で十分だろう。チャート上では1,050ドル水準で二番底を形成しつつあり、目先はこのまま現行価格水準で方向性を欠いた展開になり易い。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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