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NY金18日:急反発、週末を前に買い戻しが膨らむ

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金2月限 前日比15.40ドル高

始値 1,051.50ドル

高値 1,071.00ドル

安値 1,050.00ドル

終値 1,065.00ドル

短期的な下げ過ぎ感から週末を前にショートカバー(買い戻し)が膨らみ、急反発した。

為替市場でドル高圧力が一服する中、アジア・欧州タイムからじり高の展開になり、1,050ドル台を底固く推移した。ニューヨークタイム入り後はこうした動きが加速し、一時は1,071.00ドルまで一気に駆け上り、前日比では20ドル超の上昇幅を記録した。ただ、その後は引けにかけてやや上げ幅を削る展開になり、1,065ドル水準で週末を迎えることになった。

今週は16日引け後に米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文が発表されたことでボラタイルな展開になったが、金相場は総じて弱気の反応を示している。FOMCでドル買い・金売り材料の出尽くしを懸念する声もあったが、FOMC参加者が2016年中に4度の利上げを想定していることが明らかにされる中、改めて金利上昇圧力を織り込む動きが金相場を押し下げている。前日の安値は1,046.80ドルに達しており、年初来安値1,045.40ドル割れまで目前に迫った。ただ、そのまま新安値更新局面に突入することなく、本日は週末前に早めに売りポジションの利益を確定する動きが優勢になっている。FOMC後の下げを想定していた向きが、深追いを避けて早めに利益確定に動いた模様だ。前日に続いて荒れた相場展開になっているが、本日の値動きについては急落後の週末を前にしてのポジション調整との評価で十分だろう。

引き続きクリスマス休暇前とあってボラタイルな展開になり易いが、金相場を積極的に買い進む必要性は見当たらない。材料出尽くしとの評価から更にショートカバーが膨らむ可能性を完全に否定することはできないが、ドルの下押し圧力の鈍さからみても、金相場の反発力は限定されよう。他コモディティ市況との比較では逆に割高感が強く、ダウントレンドは維持される見通し。あとは、クリスマス休暇に向けてどこまで下値を切り下げることが可能かが打診されることになる。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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