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NY原油29日:シェールオイル減産への警戒感で反発

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油11月限 前日比0.80ドル高

始値 44.50ドル

高値 45.70ドル

安値 44.30ドル

終値 45.23ドル

明日に米週間需給統計の発表を控える中、ショートカバー(買い戻し)が先行して反発した。

アジアタイムは44ドル台中盤での小動きに終始したが、欧米タイムに安値是正の動きが強まり、45ドルの節目水準を回復している。特に目立った買い材料などは見当たらなかったが、明日発表される米週間需給統計でシェールオイルの減産傾向、原油在庫の取り崩しが確認されるとの見方から、安値是正の動きが優勢になっている。引けにかけてはやや上げ幅を縮小する動きが見られたが、9月米消費者信頼感指数から実体経済の底固さが確認されていることもあり、総じて押し目買い優勢の展開に。

もっとも、9月は40ドル台中盤の狭いレンジ相場と化しており、明確な方向性は打ち出せていない。原油相場の低迷が続く中、シェールオイルの生産環境に大きなダメージが生じているのは間違いない。米石油リグ稼動数の減少、産油量の減少傾向が確認されており、改めて売り込む必要があるのか慎重ムードが広がっている。一方、国際需給が過剰供給超過状態を維持する見通しに変化はなく、安値是正を進める動きは明確に拒否されている。強弱バランスが拮抗した、方向性に乏しい展開が続き易くなっている。

基調としては、なおボトム確認には慎重姿勢が求められると考えている。過剰供給是正のためにはシェールオイル生産に断続的にダメージを与える必要性があり、今後はイラン産原油が市場復帰するための増産余地を作り出すことも要求される。また、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げでドル高が進行すれば、当然にドル建て原油相場に対してはネガティブである。60ドル水準が近づけばシェールオイルは逆に増産傾向を強める可能性が高く、安値低迷をメインシナリオに下振れリスクを残した相場展開が続く見通し。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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