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NY金15日:反発、FOMCでのサプライズ利上げを警戒

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金12月限 前日比5.10ドル安

始値 1,107.10ドル

高値 1,108.50ドル

安値 1,101.50ドル

終値 1,102.60ドル

米連邦公開市場委員会(FOMC)待ちで様子見ムードも強いが、株高・ドル高が嫌気されて反落した。

アジアタイムから戻り売り圧力が強く、終日じり安の展開になった。9月16~17日にFOMCを控える中、利上げサプライズを警戒した向きが、買いポジションの整理に動いている。現時点では利上げ着手が決定されるとの見方は小数派だが、10月や12月の会合を待たずに利上げに着手する可能性も完全には否定しきれないことで、金買い・ドル売り・米国債買いのポジションが整理を迫られた模様。特に、本日は8月米小売売上高が強めの数値になったことで、金買いポジションを閉じることを決断した投資家が多かった模様。もっとも、敢えてFOMC前に積極的に売り込むような動きまではみられず、下げ幅は限定されている。1,100ドルの節目割れも回避されており、前日の上昇に対する修正圧力に留まっている。

FOMCでの利上げサプライズを警戒する動きが見られることを考慮すると、実際に利上げが見送られた際には金相場は瞬間的に買われる可能性も想定しておく必要がある。一部の投資家が利上げ想定でドル買い・金売りポジションを構築している以上、10月利上げを確実視されるような動きがみられずに利上げが見送られると、金市場では買い戻しが膨らむ可能性がある。

ただ、利上げ着手の流れが破綻しない限りは、金相場の反発力は限定されよう。引き続き金相場を積極的に買い進む必要性は乏しく、1,100ドルの節目割れから一段安を試す展開が想定される。FOMCに関しては一時的な戻り圧力の有無との視点で十分であり、直近安値1,072.30ドルを試す可能性が徐々に高まっている。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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