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NY金27日:米GDPの上方改訂で続落も、原油急伸で下げ渋る

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金10月限 前日比2.00ドル安

始値 1,124.20ドル

高値 1,128.00ドル

安値 1,116.90ドル

終値 1,122.20ドル

米実体経済に対する信認回復が進む中、続落した。

アジアタイムは押し目買いと戻り売りが交錯し、1,120ドル台中盤で方向性を欠く展開になった。国際金融市場が落ち着きを取り戻しつつあることはネガティブだが、それに伴い他商品市況で安値是正の動きが強まる中、金相場のみを大きく売り込むことも躊躇され、明確な方向性を打ち出せなかった。ただ、4~6月期米国内総生産(GDP)の改定値が速報値の+2.3%から+3.7%まで大幅に上方修正されると、改めて戻りを売り込む動きが優勢になり、マイナスサイドに沈んでいる。もっとも原油相場が一段と上げ幅を拡大する中、アジアタイム同様に積極的に下値切り下げを打診するような動きまではみられず、下げ幅は限定された。

本日は中国株も5%の上昇率を記録するなど、世界同時株安には歯止めが掛かっている。特に米国株が前日に続いて急伸したことは素直に評価されており、金相場の上値の重さを決定付けている。加えて、4~6月期の米GDPは、少なくとも従来想定されていたよりも米経済が底固く推移していたことを示しており、早期利上げ期待を蒸し返す要因になっている。なお株価急落のショックが完全に癒えない中、9月利上げを支持するような声が強いとは言い難い。しかし、12月ではなく10月利上げの可能性も指摘されるなど、早期利上げ期待が維持されていることが金相場の上値を圧迫する展開が続く見通し。

本日は他商品市況の急反発が金相場の下落余地を限定したが、中国経済の減速という実体経済の動向に大きな変化がみられない以上、他商品市況主導で金相場が急伸するような必要性は乏しい。なお、これまでの商品市況急落の動きに金相場は対応できておらず、割高感が維持された状況と評価している。

このまま順調に株高・ドル高・金利上昇局面にシフトしていくことができれば、戻り売り優勢の地合が継続しよう。なお国際金融市場はショックに脆弱な環境にあり、来週の中国PMIなどによっては混乱が再開される可能性もあるが、米実体経済の底固さにマーケットの関心がシフトしつつあることは大きな変化である。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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