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NY原油20日:ドル安、納会、週末要因で急反発

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

NYMEX原油4月限 前日比1.76ドル高

始値 44.60ドル

高値 46.53ドル

安値 43.31ドル

終値 45.72ドル

ドル安を手掛かりに売りポジションの整理が進み、期近限月主導で急反発した。

需給面に特に目立った買い材料などは見当たらなかったが、ドル高圧力が一服していることが好感され、週末を前にショートカバー(買い戻し)を進める動きが優勢になった。4月限が納会を迎えることもあってポジション調整が優先されており、売りポジションの含み益を確定する動きが目立った。

米ベーカー・ヒューズ社発表の石油リグ稼動数(20日時点)は前週比-41基の825基となるも、特に材料視されず。これで15週連続の減少になるが、実際のシェールオイル生産に大きなダメージは確認できないため、供給サイド主導で供給過剰状態を是正するような動きは見られない。従来のように、リグ稼動数の減少のみで買いが入るような状況ではなくなっている。

本日はドル安、納会要因で急伸したが、目先は在庫積み増し圧力が原油相場の上値を圧迫するフローが維持される見通し。いずれかの時点で年後半の需給均衡見通しを織り込む必要性が高まるが、少なくとも在庫増加トレンドが維持されている間は、買い急ぐ必要性は乏しいだろう。なお、40ドル割れのリスクも想定しておくべきと考えている。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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