文在寅を見限った金正恩「新型コロナ」でも問答無用

金正恩氏と文在寅氏(平壌写真共同取材団)

北朝鮮が、このところ控えていた韓国の文在寅大統領に対する非難を再開した。

北朝鮮の対韓国宣伝サイトである「ウリミンジョクキリ(わが民族同士)」は19日、「事大と屈従は事態をいっそう悪化させるだけ」と題した論評を掲載。文在寅氏が、在米韓国大使館が8日に全米知事会(NGA)と開催したレセプションに送った映像メッセージを問題視した。

論評は、メッセージで「過去70年、両国は共に韓半島の平和と北東アジアの安全を守ってきた」「血で結ばれた韓米同盟は安全保障を越えて経済協力までも含む偉大な同盟になった」などと語った文在寅氏の発言に言及。

「まさに事大と外勢屈従のにおいが漂う不穏当な発言」であり、「現南朝鮮当局が今まで外勢依存政策を続け、これだけ苦い経験をしても、まだ気を取り直していないようだ」と非難した。

北朝鮮は現在、諸外国と同様、新型コロナウイルス対策で非常事態下にあるが、防疫体制が脆弱である分、日本や韓国よりも緊張度は高いと見られる。すでに国内経済は弱っており、治安の乱れを抑えつけるため、一時は低調となっていた公開処刑も活発化させている。

(参考記事:女性芸能人たちを「失禁」させた金正恩氏の残酷ショー

このような状況で新型コロナウイルスがまん延するようなことになれば、体制が土台から揺らぐ可能性すらある。

そのようなリスクを考えれば、いざという時に救いの手を差し伸べてくれそうな相手を考えそうなものだ。その意思と能力の両面で北朝鮮を支え得る存在の筆頭は、文在寅政権下の韓国に他ならない。

それでも金正恩氏は、どのような状況が生じようとも文在寅政権に頼るつもりはないようだ。でなければ、このタイミングで非難の論評を出すはずもない。

しかし、今のところ感染者が出たとの公式発表のない北朝鮮だが、状況がどう展開するかによって、金正恩氏の思惑が大きく外れることもあり得る。果たして新型コロナウイルスは、朝鮮半島情勢に影響を与える「変数」となるのだろうか。