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WTAファイナルズ2度目の挑戦となる大坂なおみは優勝候補の1人!“大坂世代”とのバトルが最大のキーに

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
世界トップ8の選手が勢ぞろい。大坂なおみも、いい表情を見せた(写真/神 仁司)

 大坂なおみが、女子プロテニスツアーの最高峰であるツアー最終戦・WTAファイナルズに再び挑む。

 2019年オーストラリアンオープンチャンピオンの大坂は、年間成績上位8人しか出場が許されないこのエリート大会に2年連続で出場を決めた。

「自分にとっては、2回目のファイナルズになります。ここに戻って来られて本当に嬉しいです」(大坂)

 これまで日本女子選手で、ツアー最終戦に2年連続出場を果たしたのは伊達公子しかいなかった(1994~1996年に出場)。

2019年は、白いドレスをまとって颯爽と登場した大坂なおみ(写真/神 仁司、撮影機材:ソニーα9)
2019年は、白いドレスをまとって颯爽と登場した大坂なおみ(写真/神 仁司、撮影機材:ソニーα9)

 今年のWTAファイナルズは、昨年までのシンガポールから舞台を移して、中国・深センで開催される。

 まず、出場選手8人を4人ずつの2グループに分けて、ラウンドロビン(総当たり戦、以下RR)が行われるが、昨年に引き続き第3シードになった大坂なおみ(WTAランキング3位、10月21日付け、以下同)は、レッドグループに入り、アシュレイ・バーティ(1位、オーストラリア)、ペトラ・クビトバ(6位、チェコ)、ベリンダ・ベンチッチ(7位、スイス)と同組となり、非常にタフなグループとなった。

「今年、私は同グループの全員と対戦しています。全員と再戦できることにスーパーエキサイトしています」(大坂)

 今回大坂は、22歳になって初めて臨むのがWTAファイナルズになったが、バーティは23歳、ベンチッチは同期の22歳、同世代の選手であり、三者三様でとても才能豊かな“大坂世代”の3人がどんなバトルを見せてくれるのかが、レッドグループの最大の焦点になる。

 大会初日10月27日に行われるRR初戦で大坂は、オープニングマッチで、クビトバと対戦することが決まった。このカードは、2019年1月のオーストラリアンオープン決勝の再現となる。1月にはフルセットで大坂が勝って、オーストラリアンオープン初優勝と共に、自身初の世界ナンバーワンの地位を手にしたのだった。

「とてもテニス調子はいいです。日本でハードなトレーニングを積みました。昨年よりいい結果を出したい。そして、今シーズンをいい形で終わりたいです」

 こう語る大坂は、タフなグループに入ったものの、ラウンドロビンを突破できれば、勢いをつけてWTAファイナルズ初優勝へ駆け上がれる可能性を秘めている。

 さらに、9月に大阪で開催されたパン パシフィックテニスでの初優勝をきっかけに、10月第1週には、WTA北京大会でも初優勝し、プレミアマンダトリー(テニス4大メジャーであるグランドスラムに次ぐグレードの大会)での2つ目のタイトルを獲得した。出場した2大会で連続優勝したのは自信にすべき好材料で、調子の良いテニスをWTAファイナルズでも発揮できるか大いに注目だ。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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