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11月12日開幕の男子ワールドテニスツアー最終戦・ATPファイナルズに、フェデラーとナダルが帰還! 

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
ツアー最終戦の恒例、8人全員のフォトセッションでは、フェデラーやナダルらがお揃いのスーツを着て、ATPファイナルズ仕様に特別ライトアップされたロンドン塔の前で撮影が行われた
ツアー最終戦の恒例、8人全員のフォトセッションでは、フェデラーやナダルらがお揃いのスーツを着て、ATPファイナルズ仕様に特別ライトアップされたロンドン塔の前で撮影が行われた

 男子ワールドテニスツアーの最終戦であるATPファイナルズ(11月12日~19日、ロンドン・O2アリーナ、昨年までのワールドツアーファイナルズ、2017年大会より大会呼称変更)が開幕する。

 この大会は、シーズンの成績上位8選手だけが出場を許されるエリート大会で、まさに男子テニスの世界最高峰の舞台といえる。

 そのひのき舞台に、ロジャー・フェデラー(2位、スイス、11月6日付け、以下同)とラファエル・ナダル(1位、スペイン)が、共に2年ぶりにロンドンへ帰って来た。

 昨年は左ひざのけがに悩まされたフェデラーだったが、今季はオーストラリアンオープンとウインブルドンを含む7回の優勝。2017年シーズンのマッチ成績は49勝4敗で、そのうち対トップ10選手には、11勝1敗という結果を残している。36歳とは思えないような驚異的な成績で、最終戦15回目(史上最多)の出場を決めた。

「昨年はここ(ロンドン)に来ることができなかったんだから、素晴らしい功績だと思うよ。今季は(17位からで最終戦へは)かなり遠いポジションからスタートしなければならなかった。僕の最初のゴールは、ウインブルドンの前後ぐらい(6月頃)までに、8位あたりが現実的になればというものでした。(1月の)オーストラリアンオープンで優勝できて、かなりいいポジションになったね(ウインブルドンも優勝したので最終戦の出場権をいち早く確定させた)。シーズンを通して自分のプレーが本当によかった」(フェデラー)

 テニスの4大メジャーであるグランドスラムの優勝回数を男子史上最多の19回に伸ばし、生きる伝説と言われるフェデラーは、これまで最終戦でも強さを発揮して、歴代最多となる6回の優勝を誇る。今回は、6年ぶり7回目の優勝を狙う。

 ナダルは、今季ローランギャロス(全仏)とUSオープンを含めた6回の優勝を記録し、2017年シーズンの年間ナンバーワンに輝いた。ナダルにとっては、4回目(2008、2010、2013、2017)の年間王者だ。さらに、31歳での年間ナンバーワン獲得は、男子史上最年長記録となった。また、ナダルはグランドスラム優勝回数を15回(フェデラーに次ぐ2位)に伸ばしている。

「31歳で年間ナンバーワンになれたことは、素晴らしい結果だし、自分にとってとても重要なことです」(ナダル)

 現在、右ひざに不安を抱えるナダルだが、唯一獲得できていないビッグタイトルであるファイナルズの初優勝を狙う。

 奇しくも2017年シーズンではフェデラーとナダルが、グランドスラムタイトルを2つずつ分け合う形になったが、コンディションが良ければ、ファイナルズでも優勝争いの中心は、やはりこの2人になりそうだ。2017年シーズンの最強テニス選手は誰なのか、ATPファイナルズで、その決着がつく。

※ ATPファイナルズは、トーナメント方式ではなく、独自のフォーマットで行われる。

出場選手8人を4人ずつ2グループに分け、ラウンドロビン(総当たり戦)を行い、各選手は1日おきに3試合を戦って、各グループの成績上位2名が、準決勝へ進出することになる。準決勝は、Aグループ1位対Bグループ2位、Bグループ1位対Aグループ2位の組み合わせで戦い、それぞれの勝者が決勝に進む。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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