逆風の中、主力SUV発表。乗員認識技術を備えたスバル新型フォレスター。
株式会社スバルは6月20日、主力SUVフォレスターの新型を発表した。5代目となる新型は、スバルの新世代プラットフォームであるSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を採用した第3弾となるモデル。アメリカを筆頭に、現在のスバルの中では最も販売台数の多いモデルでもある。
発表会の冒頭で、次期社長である現専務執行役員の中村知美氏が、先日の完成車検査における不適切事案に対するお詫びを述べたのち、今後もその真相を明らかにしていくことを約束。あわせてまもなく新たな中期経営ヴィジョンを発表することも明らかにされた。
新型の特徴はスバル初となる乗員認識技術「ドライバーモニタリングシステム」を採用。これによって事前に顔を登録したドライバーがシートに座りドアを閉めると、即座にそのドライバーに合わせたシートポジションやミラー位置が自動で設定される。またこの乗員認識技術は、ドライバーの運転時の様子もモニタリングしており、居眠りなどに対して警告を発する機能も備える。
パワーユニットは2.5Lの水平対向エンジンと、2.0Lの水平対向エンジンにモーターを組み合わせた「e-BOXER」を採用。国内市場においては「e-BOXER」が主力となるのは間違いない。
最高出力145馬力、最大トルク19.2kgmを発生する2.0Lの水平対向エンジンに、最高出力13.6馬力、最大トルク6.6kgmを発生するモーターを組み合わせた「e-BOXER」は、JC08モードでは18.6km/L、新燃費基準であるWLTCモードでは14.0km/Lを実現している。
また安全運転支援システムであるアイサイト・ツーリングアシストを搭載しており、以前から他のモデルで可能としている自動運転レベル2の、さらに高度な制御を実現している。
新型フォレスターは既に、2018年5月18日から先行予約を始めており、1ヶ月が経過した6月18日までに4119台に達したという。グレード別では、「ドライバーモニタリングシステム」と「e-BOXER」を搭載した「Advance」グレードが4割を占めているという。ちなみに「e-BOXER」は9月発売だが、それでも4割を超える受注がきている辺りに、このモデルに対するユーザーの高い期待がかかっていることがわかる。
スバルのフォレスターは、国産SUVの中では日産エクストレイルやマツダCX-5がライバルとなるクラスに属している。このクラスでは日産エクストレイルが最も販売台数が多いため、その歴史の中でも常に打倒エクストレイルを掲げてきたモデルでもある。
今回は先代モデルにはなかったハイブリッドの「e-BOXER」を搭載したことで、もともとハイブリッドモデルも擁している日産エクストレイルに追従。それに加えて、以前から定評のある安全運転支援システムのアイサイト・ツーリングアシストを搭載して、日産エクストレイルのプロパイロットに対抗する構えとなっている。
そして今回は、ボディサイズを拡大して特に室内や荷室の広さを実現した。この辺りもライバルを意識していることは間違いない。果たして近年人気のマツダCX-5も含めて、このクラスはさらに熾烈な戦いとなると予測できる。価格は最も受注している「e-BOXER」搭載モデルが309万9600円、2.5Lの水平対向エンジンを搭載したモデルが、291万6000円から302万4000円。
完成車検査における不適切事案が販売にどう影響するかも含めて業界の注目が集まっている。