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「生きる名車」ベンツGクラス新型発表、旧型も併売【動画あり】

河口まなぶ自動車ジャーナリスト
写真は筆者撮影

ついに新型を発表! しかし旧型も併売

 2018年6月6日、メルセデス・ベンツ日本株式会社は、同社の最高級クロスカントリービークルであり「生きた名車」といわれるGクラスを大幅に改良して発表し、本日より注文受付を開始した。しかしながら今後しばらくは、旧型となったこれまでのモデルも併売するというユニークな販売方法を行なう。

 Gクラスが「生きた名車」と呼ばれるのは、1979年に登場して以降、基本的な構造を変えることなく生産/販売がなされてきたからである。2018年初のデトロイトショーでは、このモデルが長い歴史の中で最も大幅に改良されて話題を呼んだ。それが今回、日本に上陸し発表された形である。新しいGクラスは先代モデルのラダーフレーム構造を受け継ぎ、新設計としながらも先代比で約170kgの軽量化を実現。現代のテクノロジーによってより新開発のサスペンションを搭載。さらに安全で快適な走りを実現したという。そしてここに最新の4.0L V8ツインターボエンジンや新型の9速トランスミッションを搭載した。

 また先代Gクラス最大の特徴であった、リサーキュレーティングボール式のステアリング機構とついに決別し、現代の自動車の多くが採用している電動機械式のラック&ピニオン式を採用したこともトピック。これによって、先代モデルではハンドルを多く回したり、カーブを曲がった際にハンドルを戻す必要のある独特の操作が求められたドライビングフィールは、大幅に改良された。

 こうして走りは一新され、これまで以上に高いオンロード性能を実現するとともに、従来から極めて高い評価を得ているオフロード性能をさらに進化させて両立するという、まさに究極のオフローダーに進化した。

 さらに新型は、インテリアにおいて同社のEクラスやSクラスと同じようなフル液晶のメーターパネルを与えるなど、室内も現代的なものに一新している。そしてボディがこれまでよりもひと回り大きくなったことを受けて、室内空間も全ての席で先代より拡大されたことで快適性も大幅に向上している。加えて安全装備では、レーダーセーフティパッケージをはじめとする運転支援システムなどを含めて最新のものが搭載されたのも特徴だ。

 価格はG550が1562万円。メルセデスAMG G63が2035万円となる。ユーザーへの納車は8月下旬からとなる。この新型登場後も先代モデルも併売されることで、新型と旧型を両方選べるというのは、まさにこのクルマが「生きた名車」として、これまでのモデルの良さに魅力を感じている方が多く、また新型が登場してもなお旧型が欲しいユーザーがいるということの証だろう。

自動車ジャーナリスト

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。YouTubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数50万人)を持つ。

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