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ジェスチャー操作やタブレットも装備。ハイテクで勝負するBMW新型7シリーズ。

河口まなぶ自動車ジャーナリスト

BMWの新型7シリーズは、同社のサルーンの頂点に位置する最上級モデルだ。このクラスに属すのは、メルセデス・ベンツSクラスやアウディA8。さらに最近ではもっとスポーティなブランドであるポルシェがパナメーラ、アストンマーチンがラピードなどを送り込む市場でもある。

実はこの市場、長きに渡ってメルセデス・ベンツSクラスが頂点に鎮座し続ける。ライバルたちはその座を揺るがそうと挑戦するも、なかなか牙城を崩せずにいるのが実際のところ。

メルセデス・ベンツSクラスの実力は以前からかなり高い上に、これまで築いたブランド性は他を圧倒する。数年前のフルモデルチェンジではデザイン的にも他を圧倒するイマドキっぽさを手にいれた他、装備を充実させており無敵の状態を築いて、相変わらずこの市場を席巻し続けている。実際に乗ってみても、なるほど高い商品性があると感じる1台だ。

そんなSクラスに対抗するために投入されたのがBMWの新型7シリーズ。実際にプロダクトを見てみると、今回BMWの7シリーズに対する意気込みは相当に強いようだ。

まず動画を見てもらうと分かるように、かなりハイテクを採用したイマドキの装備を車内に融合してきた。例えばキー自体に液晶画面を備えており、ここでロックの解除等はもちろん、乗車前のエアコンのオン・オフも可能。オーディオのボリュームや曲送りは、ジェスチャーで行える。天井に装備された3Dカメラがジェスチャーを認識する仕組みだ。さらに後席のアームレストには、取り外し可能なタブレットが装備されており、これによってシートやエアコン、オーディオなどの操作が可能。さらにはマッサージやエクササイズ機能も備える他、室内外のライトにもこだわっており、夜にはドアまでの動線をライトで示すウェルカム・ライト・カーペットや、オプションでスカイ・ラウンジ・パノラマ・ガラス・ルーフというガラス面に1500個のライト・エレメントを与えて6色の星空を楽しめる装備などもある。

ボディはカーボンファイバーを随所に用いて軽量化と高剛性化を実現する「カーボン・コア」という技術を用いる。またヘッドライトはLEDの2倍の勝者距離を持つレーザーライトを備える他、リモコンの遠隔操作で車外からの駐車を可能にした「リモート・コントロール・パーキング」なども採用している。もちろん安全面ではステアリングのアシストなど、自動運転技術を部分的に実現している。

この辺りのハイテク装備はメルセデス・ベンツSクラスを凌ぐ内容で、高級車の中でも抜きん出たもの。また今後のこのクラスの装備に大きな影響を与えるだろう内容となっている。

さらに今回は、走りも当然磨き混んでおり、こちらでもSクラスと同等以上の静粛性の高さや乗り心地の良さを実現しており、高い商品力を手にいれている。果たしてメルセデス・ベンツSクラスの牙城にどれだけ迫れるかにも注目だ。

エンジンは3.0Lの6気筒ターボを搭載する「740i」と、4.4LのV8ターボを搭載する「750i」の2種類があり、それぞれにMsportやロングボディのLiが用意される。価格は1217〜1701万円となっている。

BMW新型7シリーズのWebサイトはこちら→http://www.bmw.co.jp/jp/ja/newvehicles/7series/sedan/2015/showroom/index.html

自動車ジャーナリスト

1970年5月9日茨城県生まれAB型。日大芸術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌アルバイトを経てフリーの自動車ジャーナリストに。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。YouTubeで独自の動画チャンネル「LOVECARS!TV!」(登録者数50万人)を持つ。

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