日産新型リーフ発表、電気自動車で自動運転は未来ではなく来月買える現実
日産が世界に先駆けてリリースした電気自動車リーフ。その7年ぶりの新型のワールドプレミアでの発表会が幕張メッセで開催されました。その発表会は、世界中から報道陣の集まる単一車種の発表会としては、異例の規模のものでした。
7年ぶりの新型であり、2代目となった電気自動車日産リーフの機能的な特徴を整理すると、以下のようなものになります。いずれも、ここまで日産が蓄積してきた電気自動車の技術のノウハウなくしては実現できない機能ばかりです。
* 充電走行距離が400kmになり航続距離が倍に
* eペダル(アクセルペダルの操作のみで発進・加減速・停止まで)
* 自動運転プロパイロット(高速道路同一車線自動運転機能)
* プロパイロットパーキング(自動駐車機能)
そして、びっくりするのが、価格はほぼ据え置きだということ。そして、新型日産リーフのマーケットへの投入は世界に先駆けて日本先行で、なんと10月2日スタート予定。来月には未来買えますって話です。すごい。
さて、電気自動車を実際に購入しようとなると、気になるのが航続距離です。これが2倍の400kmとなったことで、日常的に使う障壁がめちゃくちゃ下がったと思います。
日産では、一般的な日本のドライバーであれば、新型リーフは週に1回の充電でOKという表現をしています。
これまでリーフを試乗した体験から「リーフどう?」と相談されると「家に電源設備おけるならいい」という返答を個人的にはしていました。でも、この返答が航続距離が倍になることで、まったく変わります。家ではなく「近所に電源設備があればOK」となるわけです。これはぜんぜん違います。
もっとわかりやすく表現すれば、近所に日産か三菱のディーラーがあれば、それで安心なわけです。何度も言いますけど、これはもう新型リーフは別物の車になったと言えるでしょう。
でも、ガソリンの方がやっぱり安心という意見もあると思います。しかし、それはそれでガソリンスタンドだんだん減っていっています。逆に初代日産リーフ登場以降で、電気自動車用の充電器は約28000基にまで増えているのです。
減るガソリンスタンド、増える充電器。もちろん住んでいる場所などによる環境依存が大きい内容ですが、一度自分の環境を考え直していいレベルにはなってきました。
また、電気自動車の先駆けとなった初代リーフのここまでの実績についても発表されました。
* 全世界で約30万台出荷
* 49か国で販売
* 累計走行距離35億km
これだけの数字がありながら、重大な事故はほとんど発生していないというのですから大したものです。そりゃ日産イケイケどんどんです。このリーフの実績の数字が、さらに次のリーフまでにどれだけ変化しているのかも注目したいです。
さて、プロパイロット搭載も大きなトピックですが、今回のリーフではプロパイロットパーキングまで装備してきました。この自動駐車の様子がわかるものを外からと中からのものを見てもられば、わかるように、実にスムーズです。
このスムーズさというのは、ここまでこのプロパイロットパーキングを実現する各種技術を磨いてきからこそできること。さらにアクセルとブレーキの踏み間違えまで、車の方でケアするというのですから、制御しやすいEVの特性を最大限に生かしているわけです。
さらに、今どきの新型車ですから、スマホへの対応もばっちりです。
車の行動の記録、今どこでなにをしているか、そして運転前の準備としてのナビの設定や車内温度の設定まで、アプリからコントロール可能になっています。
電気自動車の機能追加は、もうやれること全部つっこんできたという感じの新型リーフ。デザイン面でも変更がありました。
リーフといえば、これまでZero Emissionのロゴにも使われている青が車のイメージカラーでした。しかし、今回の新型リーフはすでにお見せしているように、イメージカラーを白に切り替えてきました。
新型リーフの車内にも乗り込みましたが、そこで受ける印象は、実にいい意味で普通の車そのもの。車体サイズも一般的な立体駐車場に入るサイズになっています。
これはテーマカラーの変化で「電気自動車はもう特別なものではない、当たり前の車なんだ」ということを意思表示しているものではないかと、私は思いました。実際、10月頭には、もう日本国内では新型リーフは走り出してしまうわけですから。
最後に、繰り返しになりますが、新型リーフの発表会の内容以上にびっくりしたのが、いくらワールドプレミアとは言え、その規模でした。
会場は最近では大規模ライブ会場としても認知されてきた幕張メッセ。その9ホールと10ホールという2つのホールを使っての1つの車種の発表会というのは、私は経験がありません(これ、この前行った欅坂46のライブとそんなに規模が変わらないじゃないか!)。
ワールドプレミアということで、外国人記者も多いですし、さきほどまでプレゼンをしていたEV・販売・デザイン・技術の責任者が出ずぱっりでハンズオンのやり取りをし続けているのも非常に印象的でした。
日産の社運をかけたプロジェクトとはいえ、ここまで新型リーフの発表に力を入れるのは、これまで電気自動車というジャンルそのものをけん引してきた自負と責任がなせるものでしょう。先ほども軽く触れたように、この6年で電気自動車を取り巻く環境は変わりました。
「次は電気自動車で」と考えている人も増えているでしょう。そういった時代の変化や声をちゃんとキャッチアップしつつ、さらに少し先の未来もみせてくれた新型リーフ。ここまでリーフ自身が育ててきた電気自動車というマーケットを一気に広げる車になるでしょう。